- CHRONOGATE/Blue
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1. ALONE
2. MISTY
3. Snowscape(at day break)
4. CHILDHOOD’S END
5. Lead of a wind
6. BREATH
ブルーの2000年にリリースしたミニアルバム。
インディーズ時代の楽曲を、リアレンジバージョンで再録した作品です。
この時期くらいから、切ない白系バンドから、骨太ロックバンドへ移行しようとしていた彼ら。
本作では、過去の楽曲を録り直しているということもあり、その違いをもっともはっきりと感じることができる一枚になっているのではないでしょうか。
この時点で、既にレア・アイテムであった「ALONE」が収録されているのも、メジャー進出後からのファンにとっては、嬉しい試みでした。
しかしながら、それまでのブルーが好きだった僕にとっては、抵抗感があったというのが本音。
今、聴き直してみれば、「MISTY」のサビの昂揚感を活かすために、前半のテンポを落とす手法も、「Snowscape(at day break)」の、エフェクトをかけたラフなスタイルも、これはこれでアリだなと思えるのですが、当時としては、透明感のある上モノを使ったアクセントや、切なさを助長する疾走感がなくなってしまったことに対する寂しさが勝っていました。
「Lead of a wind」で、咳き込む音が入っているのについても、遊び心だとはわかっているのだけれど、ヴィジュアル系としての世界観は捨ててしまうのだろうかという、やりきれない気持ちが強かった。
まぁ、好みの問題と言ってしまえばそれまでなのですが、実際、この音楽性の変貌についていけなくなったというファンも少なくなかったと記憶しています。
一方で、良くなっている面もあるわけで。
「CHILDHOOD’S END」や、「BREATH」は、大人びたシックな楽曲に再構築されており、そこは正当に評価しないといけません。
特に向上しているのは、Vo.ARIHITOさんの歌唱力。
インディーズ時代は、一辺倒でピッチも甘かったのですが、上記2曲については、抑えるところと、張り上げるところのメリハリが出ているうえに、安定感を増した印象。
歌に、余裕が見えます。
(といっても、まだまだ粗はあるのですが。)
演奏についても、成長はうかがえる。
上モノに頼っていたところを、生音でカバーしているのだけれど、音数の面での物足りなさは感じません。
むしろ、ギターが非常に頑張っていて、様々なアプローチを試しているよう。
「Lead of a wind」なんかは、歌メロよりも、ギターのフレーズにばかり耳を傾けてしまいます。
「BREATH」は、アコースティック・バージョンとは驚いた。
個人的には、オリジナルの疾走感がたまらなく好きなので、際立って良くなったとは言い切れないものの、振り切って、全編アコースティック・アルバムにでもしておけば、本作の評価も違っただろうと思ってしまう。
歌詞も追加されていて、原曲と聴き比べてみるのも、面白いかも。
このCDは、あくまで企画モノ。
やはり、初期~中期に、名曲、名盤が多いバンドですので、そちらを網羅したうえで、本作はアンソロジー的な位置付けとして聴いてみると良いのではないでしょうか。
<過去のBlüeに関するレビュー>