- 酔わせてモヒート(初回限定盤A)(DVD付)/ゴールデンボンバー
- ¥1,500
- Amazon.co.jp
1. 酔わせてモヒート
2. いいひと
3. さよなら冬美
2011年のヴィジュアル系シーンは、彼らの年だったと言っても、過言ではないでしょう。
ゼップツアーを終え、武道館2DAYSを控えたゴールデンボンバーの待望のニューシングル。
本作は、一般層にも浸透するほどのブレイクを果たした後のシングルということで、ハードルが高っただろう一枚。
しかしながら、必要以上にネタに走らず、必要以上に真面目になりすぎることもない、いつも通りの金爆でした。
男らしい掛け声と、ハードなイントロが印象的ですが、サビから入る歌メロが始まれば、メロディアスでロマンティック。
Aメロ~Bメロの入りくらいまでが、ラルクの「the Fourth Avenue Café」のような雰囲気なのですが、このバンドなら、それもアリかと思わせてしまうあたりはズルいですね。
どこかで二番煎じ的な部分があるところも含めて、彼らの面白さとして認識してしまう。
サビでは、さすがのキャッチーな高揚感。
変拍子のリズムが気持ちよさを煽っており、3曲中、もっともヴィジュアル系的なナンバーです。
「いいひと」は、パンク色を強めに。
ストレートに爽やかで、コミカルながら、ほんのり切なさも持たせていて、青春パンクスが好きな層には懐かしさもあるのではないでしょうか。
荒々しいサウンドだけでなく、清涼感のあるシンセが90年代ポップス的な味わいも持たせていて、ただ面白いだけじゃない、音の面でも彼ららしさってあるよな、と改めて思わされます。
「さよなら冬美」は、確実に松浦亜弥の「GOOD BYE 夏男」を意識したタイトルの付け方ですね。
この辺は、相変わらずのキワドさを見せている。
ただし、肝心の楽曲は大真面目。
オルゴールのようなイントロから、既に冬の感傷的な情景をイメージさせるのですが、これにバンドサウンドやストリングスが重なってきて、壮大なアレンジになっていくと、クリスマスが近く、街があたたかいイルミネーションで包まれている様子がありありと浮かんでくる。
だからこそ、切ない歌詞がぐっと深みを増してきます。
タイトルと内容にギャップを持たせることで、よりインパクトも強まる。単純に名曲。
3曲を通して、楽曲のタイプはバラバラなのですが、どの曲にも、ゴールデンボンバーらしさを見せている。
露出が増えたことで、はじめてCDを手にする層も多いだろうと見込んでか、導入編としてはもってこいの内容に仕上げているよう。
本当に、トータル的な演出が巧みですね。
面白いだけでない、魅力は、楽曲の良さにもあるんだ、というのを、しっかりとアピールしています。
来年は、オリジナルアルバムの発売も決定しており、まさに順風満帆。
本人たちも、そろそろ飽きられる、と口にしている通り、2012年が、長く活動できるアーティストになれるかどうか、勝負の年になりそうですが、まだまだ秘策も隠していそう。
来年も、期待の斜め上を行くアイディアで、世間をあっと言わせてほしいものです。
<過去のゴールデンボンバーに関するレビュー>