1.So One Blue Night(Special mix version)
1993年~1994年くらいに活動していた、ロゼノアール。
ピンとこない人も多いでしょうけれど、SOPHIAの松岡さんと、豊田さんが在籍していたと言えば、気になってくるファンもいるでしょう。
本作は、表題曲1曲を収録した配布デモテープ。
当時、Vo.松岡さんは、神已、豊田さんは、Gilleさんと名乗っていました。
メイクもコテコテ。人に歴史あり、とはこのことですね。
この「So One Blue Night」は、シンセとボーカルのみによるサビからスタートし、ガラスが割れる古典的なSEとともにバンドサウンドで疾走するという、そこはかとなくヴィジュアル系な一曲。
ツタツタなドラムに乗せて、パンク調の掛け合いを噛ませる構成は、ポジティブパンクがリアルタイムのものとして共有されていた時代の古臭さを感じさせるのですが、メロディアスに展開される爽やかさすらあるサビのフレーズは、この頃から彼らのメロディセンスは確立されていたのだと、感心してしまう。
松岡さんの癖のある歌い方や、特徴的な声も、この頃から変わっていません。
音楽性は、今のSOPHIAとまったく違いますが、それでも松岡さんだとはっきりとわかる。
もちろん、若さゆえ、経験不足ゆえのピッチの甘さ、歌い尻の粗さは見られますが、それを含めて、過去のバンドを辿って、改めて聴いてみる楽しみですよね。
ただ、とてつもなく音質が悪いので、その辺は、注意が必要。
相応にプレミアのついている音源でもあり、誰でも飛びつくべし、とまでは言えません。
曲が終わったと思うと、打ち込みによる静かなアウトロが1分~2分続きます。
デモテープということもあり、別トラックのインストという位置づけなのか、はっきりしないところではありますが、表記などから、アウトロと捉えるのが一般的なようですね。
これは、さすがに時代が出るというか、チープすぎるなぁ。
MIDIレベルのサウンドです。
ここまで正統派ヴィジュアル系の展開の中、サビではSOPHIA節が聴けるという意味では、なかなか面白いナンバー。
もっと音質が良い状態で聴きたいところではあります。
このバンドは、オムニバス「EMERGENCY EXPRESS'94 coup de theatre」に、「Cry」という曲で参加しているので、そこそこの音質で雰囲気を知りたいという人は、そちらをおススメ。
これまた、らしさのあるメロディアスチューンですよ。