As free as butterfly/Crystal Eye's
1.As Free as Butterfly
2.Shard of Delusion
2001年に発売された、Crystal Eye'sのデモテープ。
ライブのスタイルは、所謂暴れ系。
ただし、本作を聴いただけであれば、きっとそんなイメージは持たないでしょう。
なぜなら、表題曲の「As Free as Butterfly」は、幻想的で美しく、白系ど真ん中のメロディアスナンバーなのです。
クリーンなサウンドで淡々と紡がれるアルペジオの響きに、ゆらゆらと流れ漂うようなメロディが浮かび上がる。
展開にメリハリが効いていて、キメも効果的。
後半のファルセットの連発こそ、やや強引に聴こえてしまいますが、初期ラルクのような雰囲気を、自らの世界観で色付けしていくような神秘的なサウンドに聴き入ってしまいました。
どこが盛り上がる、というわけではないのですが、徐々に音が広がっていくような構成が格好良い。
1番、2番、という形式的な聴き方をしてしまっては無粋。
すべてを通して聴いてこそ、楽曲が完成するのだ、という気概を感じさせます。
「Shard of Delusion」は、ツタツタリズムが加わるなど、ダークさを強めていきますが、根本的な部分はしっかりとメロディアスにまとめている。
こちらも白系バンドのダークサイドの楽曲、といったところでしょうか。
よくよく聴き込んだら、確かに激しさは表現されているのだけれど、全体的にベールをまとったような世界観で包み込んでいるため、歌モノに強いバンドといった感想を持つ人が大半だと思いますよ。
演奏力も歌唱力も、2001年当時のマイナーバンドの域を出ておらず、スキル的にはまだまだ過渡期。
とはいえ、上手い、下手という概念だけでは語れないのがヴィジュアル系。
このデモテープで表現している世界観を、ライブでも再現することができていたら、もっと伸びていたのだろうな、と思わざるを得ません。