- Black Butterfly/A
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1. Black Butterfly
2. Devil’s Voice
3. 残酷な天使のテーゼ
注目株の若手バンド、Aの2ndシングル。
全国流通盤には、もはや代表曲になってしまった感のある「残酷な天使のテーゼ」のカバーを収録。
なんといっても、このバンドの特徴はバイオリン。
ボーカル、ギター、ベース、バイオリン&ピアノという独特なメンバー構成が、アレンジに深みを持たせています。
表題曲である「Black Butterfly」は、yukihiro加入後のラルクのような洋楽テイストの雰囲気モノのR&R。
ミディアムテンポではありますが、激しさも持たせており、まったりしすぎない絶妙なバランスです。
やはり、初聴で耳が行くのは、圧巻のバイオリンソロ。
ギターソロとは違って、激しく掻き鳴らしても音色が耳に優しいので、壮大で優美で、どこか神秘的な印象を残すことができる。
直後、ドラムが走り出し、それまでサビに使っていたメロディを、楽器隊のコーラスに変えるラストシーンも格好良い。
雰囲気モノから、一転して迫力が増し、新たに畳み掛ける歌メロを重ねたことで、ドラマティックな盛り上がりを迎えます。
「Devil’s Voice」は、更に中世の教会的な厳かな空気感を、更に強め、世界観を構築している一曲。
ゴシック、というほど暗黒一辺倒ではないのですが、非現実的な雰囲気の作り方が上手ですね。
荒々しく歌うときに、ボーカルさんのピッチが甘くなるのがもったいないところではありますが、全体的に、歌唱力も安定している。
キャッチーさに欠けるところはあるので、1曲だけ聴くというより、作品を通して、世界観に浸かるという聴き方が正解と思われます。
そして、衝撃なのが「残酷な天使のテーゼ」。
原曲が、バンドサウンドで再現しやすいこともあり、カバーとしてはそう珍しくはないのですが、よくあるパンクアレンジ、ロックアレンジとは一味違う。
完全に自らの音楽に昇華しているではないですか。
厳かに、耽美に、そして、ピアノの音も効果的に加えていて、サビではジャジーに聴かせる。
いやー、お洒落ですね。これには参った。想像以上の仕上がり。
疾走感のあるドラムと、滑らかなストリングスの音色とのミスマッチが、本当にハマっています。
エヴァンゲリオンも、厳かさを出すためにクラシックを劇中に使っていたこともあり、原曲よりも、エヴァに映えるのではとさえ思ってしまった。
これに尽きるのですが、バイオリンが入るだけで、こうもサウンドに幅が出てくるのか。
好き嫌いは別として、一聴の価値はあり。
あとは、いかにオリジナル曲にインパクトを持たせていくかですね。
今のところ、どの曲が、というよりも、バンドの編成によるもの珍しさが先行している。
ある種、仕方ないとは思いますが、ここでキラーチューンが出来てくれば強い。
そういう意味では、カバー曲でインパクトを出して話題を集めたのは、策士だったと言えなくもないのですが、願わくば、オリジナルで実現してほしい。
それにしても、バンド名アルファベット一文字って、検索しにくいなぁ(笑)
せっかく興味を持っても、簡単にネットで情報を選り抜くことができないのが難点です。