1. Solitude
2. Glass Snow
3. Refrain
ex-Le viewのメンバーを中心に結成された、Mystic Moonの1stシングル。
リリースされたのは、2000年。
当時は、ソフトヴィジュアル系が全盛期でしたね。
Le viewは、wyseのHIROさん、TAKUMAさんが在籍していたことでも想像できるとおり、切ない歌モノを得意としていたバンド。
このMystic Moonも、その系譜を受け継ぎ、白系ど真ん中のメロディアスナンバーを得意としていました。
関西を中心にした活動ながら、テレビ等への露出も多く、知名度も相応にあったように記憶しています。
ちなみに、ギターのRyuさんは、現在ドレミ團で活動中。
表題曲「Solitude」は、2ndシングル「Flagments of Time」でも再録される代表的なナンバー。
音質的な面も含めて、再録盤のほうが格段にレベルアップしていますが、既にポテンシャルは認識できるキラーチューンです。
疾走感があり、Sayaさんのハイトーンボイスが活きる幻想的なメロディが、白く切ない世界観を映し出している。
クリアトーンのギターが、この真っ白さを更に引き立てているなど、すべてのパートが同じ方向を向いて、連動しているのが好印象。
90年代ソフビ系が好きなら、ガツンと衝撃を受けること、間違いありません。
カップリングの「Glass Snow」は、ラルクの「the Fourth Avenue Café」を彷彿とさせる小刻みなドラムのリズムとシンセの打ち込みが印象的な、淡々とした一曲。
これも、タイトル通り、冬、雪といったイメージを上手く使って、白さ、切なさを視覚的にも表現しています。
流れるようなメロディは、大きな盛り上がりポイントはないものの、最後の、メロディを歌いかけて、歌わないという余韻の残し方がツボ。
コンポーザーである、Gt.Nachiさんのセンスが光りますね。
ちなみに、2ndプレス盤には、3曲目に「Refrain」が追加収録。
この曲も、1、2曲目の方向の延長といった、メロディアスな楽曲で、サビまでの自然なメロディ運びが美しい。
若干クドいサビの歌い回しも、癖になってしまった段階で、アーティスト側の思惑どおりです。
とにかく切ない曲の目白押しで、思春期に聴いたらハマってしまうこと請け合いのバンド。
それなりにプッシュされていたのとは裏腹、短命だったのが悔やまれます。
好き嫌いを分けるとすれば、Sayaさんの中性的な声でしょうか。
それまでのヴィジュアル系のハイトーンボイスというのは、どちらかと言えば、絞り出したり、張り上げたりして高音を出すイメージで、さらっと歌いこなす人って、あまり類を見なかったような。
そういう意味では、激しい曲で迫力がなくなってしまうというデメリットは確かにあったかと。
逆に、現代では、両声類なんて言葉もできて、それはそれで武器として認められつつあるわけで、今のファンが、どういう受け取り方をするのかは、個人的には気になるところ。
この作品の、ハイトーンを最大限に活かそうとするコンセプトは、試みとしてハズレてはいないはずですので、もし中古屋で見かけたら、手にとっても良い作品だと思います。