The Best of L’Arc~en~Ciel c/w / L’Arc~en~Ciel | 安眠妨害水族館

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The Best of L’Arc~en~Ciel c/w (初回限定盤)/L’Arc~en~Ciel
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1. Brilliant Years

2. あなたのために

3. I'm so happy

4. さようなら

5. 賽は投げられた

6. THE GHOST IN MY ROOM

7. metoropolls

8. Peeping Tom

9. a swell in the sun

10. 花葬 -1014mix-

11. hole

12. get out from the shell


今となっては、ベストアルバムも数多く発売しているラルクですので、「今更ベストまでは買わなくていいか」という人も少なくないでしょう。

ただ、ベスト盤の中でも、もっとも実用性が高いのがこの作品。

3枚同時にリリースされたベストのうちの1枚である、カップリング集です。


ラルクの過去のシングルについては、12㎝サイズで再発されていたりするので、全部持っている人もそりゃあいるんでしょうけれど、これから遡って聴いてみようって人にはちょっと数が多すぎる。

また、ラルクの作品は売上枚数も多いため、アルバムだけなら、中古では結構安く揃ってしまうものなのですよね。

そうなってくると、楽曲を網羅したい新規ファンにとって求められるのは、アルバムに収録されているシングルよりも、収録されていないカップリングナンバーだったりするわけです。


正直に言って、時系列に寄せ集めただけですので、まとまりというか、アルバムとしての完成度が高いとは言えません。

しかし、ラルクの歩み、音楽性の変遷が、1枚のアルバムで体感できるというのは、面白みとも言えなくはないわけで。

1曲1曲の内容は、さすがにずっとトップを走り続けるだけあって満足できるものですし、最初は声に若さが見えていたhydeさんのボーカルも、年を経るにつれて、渋みを増して、艶やかになっていく。

時折、シングルとも遜色のないキャッチーさ、華々しさがあるキラーチューンもあるのも侮れません。


特に、メンバーチェンジの影響がはっきりわかるのが特徴的ですね。

sakuraさん時代は、メロディアスで幻想的な白系の音楽を好む一方、yukihiroさんになってからは、デジタルで無機質な方向へと変わっていきます。

1曲目とラストだけを聴き比べると、同じバンドかと耳を疑うほど。

カップリングにこそ、バンドの音楽性の本質が見えるとも聞きますし、そういう意味では、ラルクの歴史がここに凝縮されていると言ってもいいのではないでしょうか。


まぁ、先述のとおり、アルバムとして流れが良いとか、構成が凝っているとか、洗練された美学があるわけではないので、作品単体としておススメするCDではないです。

ラルクをかじってみようと思ったリスナーが、最初に手にして満足できるものでは決してありません。

あくまで、彼らのバックボーンを知る、網羅的に曲を楽しむという、ラルクをある程度理解した人向けの楽しみが多い作品ということなのでしょうね。


<過去のL’Arc~en~Cielに関するレビュー>

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