- Les Soiree 夜の舞踏会/断罪の章~神罰篇/Aliene Ma’riage
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1. 神罰篇~神々の審判
2. 夜の舞踏会~ル・ソワレ
3. 罪と罰(棄てられた記憶)
4. 禁・ジラレタ思考回路
5. 精神隔離症の『 』と霧遊症の『 』
6. 撲『しもべ』
7. 『虐』~呪ワレタオルゴールノ中デ
8. 古の愛物語~エンドレス
9. SUICIDE~洗礼の章
耽美な衣装と、猟奇的な世界観で、1999年に旋風を巻き起こしたアリエネマリアージュ。
本作は、1stCD、「Les Soirée 夜の舞踏会/洗礼の章~生誕篇」を完売させた彼らが、収録曲を一部入れ替えて発表したフルアルバムです。
中世ヨーロッパを意識した耽美ゴシックをベースに、ザクザクゴテゴテしたギターが激しさを加え、刺々しくも演出面も意識した"ヴィジュアル系"らしい作品に仕上がっています。
その中で、ストーリーを持って描かれる猟奇的な歌詞が、激しくカオティックな楽曲とマッチしていて、現実離れした表現が好きな人には、きっと興味をそそられたことでしょう。
正直、見た目先行といった感は否めない。
メロディアスな部分は、ピッチの甘さ、声量のなさが露呈して、聞き苦しさすらあるし、現代の重低音バキバキのサウンドに慣れてしまっていると、低音は軽く感じられてしまいます。
ギターは及第点かなとも思いますが、ほとんどサポートギタリストが弾いているという噂もありましたね。
テクニック重視の人には、あまりおススメできないのかなぁ。
ただし、インパクト重視、個性派好きにとってポイントとなるのが、Vo.狂華さんによるファルセットでのシャウト。
悲鳴、絶叫、喉が張り裂けんばかりの甲高いシャウトは、まるで断末魔の雄叫びのような強烈な印象を与えます。
後にも先にも、こんなに鋭い叫びは聞いたことがない。
好き嫌いは別として、とにかく記憶に残ることは間違いありません。
個人的には、後期のサイバーさを増した音楽性のほうが好みなのですけれど、猟奇的な世界観がたっぷり詰め込まれた本作がピークだという人も多いでしょう。
せめて、メロディがもっと歌いこなせていれば、更に強固なファン基盤を獲得できていたのかな。
いっそのこと、シャウトオンリーくらいの構成にしてしまっても良かったのでは、と思ってしまうぐらいに歌唱力のムラが残念。
もっとも、それはそれでボーカリストとしての寿命を縮めてしまいそうなほど、喉を酷使しそうですけどね。
<過去のAliene Ma’riageに関するレビュー>