- 「niNe.」/SIX-R
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1. Lost・・・Days instant
2. after「9」
3. カケラ
4. 「Sixth」
5. -MOSQUITO-
6. MARRY
ex-PhobiaのKISUIさんが隼として復活を果たしたバンド、SIX-R。
ジャケットや歌詞カードには、上記の曲順で表記されていますが、実際は「カケラ」と『「Sixth」』が逆に収録されています。
隼さんだけでなく、ギターのカイネさんは、ex-Vizell、ベースの皇子さんは、ex-WAILと、90年代好きには懐かしいメンツ。
ドーナツレコードからのリリースというのもアツいですね。
音楽的には、古き良き名古屋系の延長線上といってもいいでしょうか。
今のバンドなら、もはや当たり前となっているラウドな演奏や、デスヴォイスは見られず、その代わりに、甲高いシャウトや、メロディアスに蠢く、艶めかしいフレーズが多用されている。
割とメリハリがはっきりしていて、ドロドロ、アングラな雰囲気は薄いですが、そういう意味では、そもそもPhobiaも、名古屋系の中でもメロディがわかりやすいバンドでしたしね。
ロックンロールよりのアプローチをベースに、「MARRY」などの王道名古屋系メロディアスナンバーを織り込んでくるあたり、昔のファンも、今のファンも聴きやすい構成になっているのではないかと。
KISUIとしてのソロワークスや、ユニットで見せていた、ラップ的な手法も、「カケラ」の中で見ることができます。
この手の遊びは、聴く人を選ぶかもしれませんね。
純粋な名古屋系を望む人には邪道だと思いますし、細くて尖ったボーカルに映えるというほどでもなく、曲のバリエーションとして受け入れられるかどうか。
個人的には、少し雑多なイメージになってしまっているかな、と。
とはいえ、『「Sixth」』のマイナーコードで疾走する王道感や、やや開けたイメージの「「MARRY」」など、これだこれだ!とゾクゾク感が止まらないナンバーもしっかり詰まっている。
最近のキラキラしたシーンにはうんざり、だけど、マニアックすぎて聴きにくいバンドもちょっと・・・という人には、ちょうど良い路線を走っていた気がします。
活動時期は、2006年~2009年にも関わらず、良い意味で90年代の香りがするなぁ。
そんなわけで、Phobiaが好きだった人なら、流れで聴いても安心できる作品に仕上がっているとは思います。
しかし、隼さんは途中で脱退してしまい、新ボーカルを迎えて活動を続けていましたが、結局、すぐに活動休止になってしまいました。
いつの間にか復活して、いつの間にか脱退していた印象。
もうちょっと話題になっても良かったんですけどねー。