煌め逝く瞬間 / Aioria | 安眠妨害水族館

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煌め逝く瞬間/Aioria
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1. furitsumoru-降りつもる-

2. 光彩

3. 凍てつく世界

4. ファンタジア

5. 瞬き・・・

6. 果実レ蟲惑ナ

7. 運命

8. 瑠璃蝶

9. いばらの森

10. 蒼月の陰影

11. 花詞


ニンジャマンジャパンのsarinoや、ex-バビロン、Da'vidノ使徒:aLのミサ、Dの大城、Sevenの未散、和矛・・・

今思うとなかなか豪華なメンバーだったアイオリア。

初期メンバーには、ex-蜉蝣のkazuもいましたね。


1曲目は、SEなので、実質10曲、うち、既発表曲8曲と、それまで音源を集めていた人には泣きたくなるようなフルアルバム。

オリジナル音源としては、CDはこの作品1枚だけでしたっけ?

実質的には、完売集みたいな位置づけだったのでしょうかね。

デモテープの音源がCDで聴けたのはよかったですけど。


未散プロジェクトとして、未散、sarino、大城という構成で何枚か音源を出した後、正式にバンドとなりました。

もともとは未散が作曲をしていましたが、アイオリアになったのと同時に、ほとんどの曲のコンポーズはミサさんになりましたね。

キラキラポップなサウンドから、クラシカルでダークな音楽性に転換したので、楽曲の面では本当に生まれ変わったような印象。

Da'vidノ使徒:aL時代を彷彿とさせる、メルヘンダークなフレーズも多用されていて、ただの正統派バンドに終わらない、ひと癖もふた癖のあるバンドでした。

偶然なのか、意図的なのか、「凍てつく世界」のイントロは、ダビデの「デスピクニック」のサビのメロディを思い起こさせるベースライン。

ダビデ好きな僕としては、とてもノスタルジックな感覚に包まれていました(笑)


sarinoは、ラクリマやシャズナのような甘くてクドい歌い方をするので、やや好き嫌いは分かれるかも。

下手ではありませんが、少し癖の強いボーカルですね。

音楽的な部分では、打ち込みの教会的なサウンドと、歌メロの重なり方がミサさんらしく個性があって、王道ながら印象に残る曲が中心。

メロディ自体はそこまで多くはないので、やや飽きやすい部分はありますが、音使いやメロの付け方の斬新さには耳を奪われます。

どの曲にもとっつきやすいキャッチーさがあるのもポイントですね。


もったいないと思ったところは、音質でしょうか。

もともとデモテープの音源を使っているのか、かなりチープになってしまっている。

ドラムがポコポコいってて、これがDの大城さんが叩いているとはとても思えませんよ。

むしろ打ち込み、と言われたほうがしっくりくるくらいの軽さ。

実力がこんなものだったとは思えないので、なおさら残念です。


最近、大城さん以外のメンバーで限定復活をして、オムニバスCDにも参加していましたね。

収録曲は新曲ではありませんでしたが、現代の技術でこのバンドの曲が聴けるのは嬉しい限り。

こういうクラシカルなバンドって、最近は見なくなってしまったので、これを機にまた評価され直したりすると面白いですね。