Beautiful&Resistance / RIBBON | 安眠妨害水族館

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Beautiful&Resistance/ribbon
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1. ROSETTA STONE~リボンの系譜~

2. TERRIITORY

3. 真夜中ノ黒イ太陽

4. 24 hours

5. PARADOX

6. 極東の恋人-THE FAR EASTERN LOVE-


ex-MARRY+AN+BLOODのVo.神崎さんや、ex-LAREINEのBa.えみるさん、Dr.KAZUMIさんが在籍していたRIBBON。

本作は、彼らが残した唯一のミニアルバムです。


LAREINEの活動休止から、復活に至るまでの狭間の時期に活動していた彼ら。

Gt.LUCAさんの脱退以降、実質的には新生LAREINEに吸収される形で活動を終えてしまいましたが、とても美しくて艶っぽい曲を得意としていて、今もなお評価するファンの多く存在します。

取り残された神崎さんは、しばらくLAREINEと同じ事務所でソロ活動をしていましたが、いつの間にか活動が止まってしまった印象。
かなり期待されていたヴォーカリストだっただけに、残念でしたね。


音楽性としては、想像どおりLAREINEに近い耽美主義の楽曲が多く、神崎さんのミドルレンジの渋い歌声に合わせて、ハードボイルドでスリリングなアレンジもよく用いられていました。

「ROSETTA STONE~リボンの系譜~」は導入的なSEですが、続く「TERRIITORY」から早くも爆発。

印象的なピアノのフレーズと、息も吐かせぬ緊張感にドキッとさせられます。

歌い尻のところで、ボーカルのピッチが甘くなるのがもったいないところですが、耽美系ファンであれば、たまらないナンバーと言えるでしょう。


続く楽曲たちも、緩急をつけてドラマ性を持たせたメロディアスなナンバーばかり。

渋さと煌びやかさのギャップが、まるで派手だけど決して表には出ないギャングスターのようで、本当に格好良い。

チャラついていない、ダンディズムにも似た妖しさがあるのですよ。


そして、ラストに待っている「極東の恋人」。

RIBBONらしいキラキラしたピアノと、メロディアスで美しい旋律はそのままに、サビでの高揚感、キャッチーさは群を抜いていて、ラストにふさわしい名曲に仕上がっています。

これを名曲と呼ばずに、何を名曲と呼べようか。それだけのインパクトのあるキラーチューン。

サビでのファルセットがとても心地よく、サビ終わりから間奏やアウトロへ繋がるあたりの余韻も最高です。


ちなみに、この曲だけ、なぜか歌詞を書いたのがKAMIYAさん。

これ、MARRY+AN+BLOOD時代に神埼さんが使っていたステージネームですね。

作曲したえみるさんもお気に入りなようで、この後に組んだバンドでも、2回歌詞を変えて再録しています。

LAREINEバージョンと、ANUBISバージョン。

歌詞を書いたのはそれぞれのバンドのヴォーカリストであり、当然、クレジットも異なるのですが、実は作曲者まですべて名義が違うのが面白いところ。

RIBBONでは河愛 花、LAREINEではEMIRU、ANUBISではRUN。

もちろん、全部えみるさんの別名義ですが、偶然、まったく違うクレジットになってしまったという。


LAREINEもとても好きなバンドだったので、当時の復活は素直に嬉しかったのですが、このバンドをもっと見ていたかった気持ちがあったのも本音。

それだけ、衝撃的なアルバムだったのです。