GENERATION / Valentine D.C. | 安眠妨害水族館

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GENERATION/Valentine D.C.
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1. 空想世界
2. つぎはぎアンティック・ドール
3. カーテンコール
4. .Happy Birthday
5. 奥歯を噛みしめろ
6. 扉
7. ill
8. 二人の唄
9. MY GENERATION
10. One
11. Cradle

リクエストがありましたので、Valentine D.C.のレビューなんてしてみたいと思います。
89年に結成、94年にメジャーデビュー、一度解散をしましたが、再結成をして、今もなお現役のバンドですね。

このバンド、さすがにリアルタイムで初期から聴いていたわけではありません。
たまたまラジオで聴いた「カーテンコール」が気に入ってしまい、すぐにCDショップに駆け込み購入したという。
ちなみに、本作の発売は1998年。
10年以上前の作品となりますが、その「カーテンコール」は、男らしくて、優しくて、今でも好きな1曲です。
色褪せない。

本作は、彼らの作品の中でも、アルバムとしてのまとまりがある。
強烈だった個々の主張が、良い意味でマイルドになったというか、バンドとして機能するようになったと感じます。
Ken-ichiさんのボーカルも、バリエーションが増え、余裕も出てきたような。
その分、個性が飛び抜けた楽曲はありませんが、全体的なクオリティが高く、清々しくロックンロールを堪能できるといったところ。

当時はGLAY、ラルクの大ブレイクの中で、SHAZNA、ラクリマ、マリスミゼル等が台頭。
ヴィジュアル系の全盛期だったということもあり、このValentineD.C.も、V系としてカテゴライズされていました。
とはいえ、実態的な音楽性は、アメリカンロックやグラムロック。
洋楽ライクなメイクはするけど、基本的には男らしいロックバンドっていうイメージでしたね。

とにかく渋く、正統派のロックバンド。
ミディアム~アップテンポのスタンダードなリズムに、ハスキーで芯のあるボーカル、シンプルで男らしいギターのリフが重なって、骨太なサウンドを奏でています。

おそらく、今のヴィジュアル系が好きだって人には古臭くて受け入れがたいのだろうな。
奇をてらったバンドに慣れすぎると、こういう音楽はつまらないと感じてしまうかもしれない。
実際に、時代を感じるなという部分は多々あるのも事実かと。

しかしながら、素朴で熱いバンドを、たまに聴きたくなるのです。
音楽性や渋みを勘案すれば、若者というより、大人向け。
懐かしいロックが胸に沁みる。
そんな感覚に浸りたいときに聴きたい一枚。