なんか、また気持ちが落ち込んできた。

虚しさとか、寂しさとかが込み上げる。


焚き火の火はすぐに消える。

燃料が良く燃えるから。

炭と違って長持ちしない。



火力の調節が難しいから、人と火を囲む時は、それなりに量が必要になるな、などという事を考えている。


ご飯はもう食べた。

これ以上、食べたいものもない。


今日はお酒もやめておこう。

こういう時に飲むと、大体はロクな事にならない。


つまらない。



私は、一人が好きってわけじゃない。


一人が楽ってだけで、人といる事に疲れるだけで、そうでない限りは、人と関わっていたいんだなと思う。

そうじゃなかったら、結婚なんかしないだろうし。



この前、会社の子の愚痴を聞いた。

その時、〇〇さんも、いつでも何でも話してくださいねって言ってくれた。


でも多分、私はその子には話さない。

話したいって思う気持ちはあるけど、話さない。


一度他人に求めると、何度も求めたくなるのが人間だって事を知ってるから。

不倫を疑われるのも嫌だし。



私は寂しい気持ちを一人で処理をするのが苦手だから、優しくされると、すぐ寄りかかりたくなる。


正直言って、そんな、いつでも何でも話して下さいね、なんて言われたら、何か言いたくなってしまう。


その人の事を今考えてる。

あの人は何なんだろう。



何となく理由は分かる。

私はしばしば、何を考えているのかよく分からない、と言われる。


でも、私が持っている、近寄りがたくも優しさを感じる瞬間が、どうも興味深いのだろう。


自意識過剰で言っているのではなく、そのように言われた事が何度かある。

人は中々触れないものに対して、好奇心を抱くものだ。


妻などは、面と向かって直球に、

『あなたはメンヘラホイホイなんだよ。』

とか言ってくる。


それは褒め言葉とは思えないんだが。

しかし妙に納得出来る。



地面に目を落とすと、またアリが歩いてる。

こまめにアリ駆除の為のシャワーを散布しているのに、しつこい奴らだ。


私の周りに現れなければ、私は追いかけてまで駆除しようとは思わないのに。


何なんだろ。

とりとめのない思いが、次々浮かぶ。



妻に会いたい。

まだ子供がいなかった時、妻は私の事をいつも優先してくれた。


でも子供が産まれてから、リソース不足に陥り、以前のように、私の思いを受け止めてくれる事はなくなった。


仕方のない事だと思う。

人には人が必要だ。

幼い子供などは、大人である私以上に、人の力を必要としているんだから。


薪をくべなければ、そのうち消える。

だから新しい薪をくべる。


木は成長して代謝し、新しい枝を落とす。

私はそれを拾って、折って、薪にする。

薪を火にくべる。

薪は燃えて、灰になる。


ここには使いきれない木の枝が落ちている。


自然の循環の中で、恵みを享受して、何かが終わらないように続けていく。


寂しさとか、退屈というものは、循環がどこかで途絶えている状態なんだ。


人に興味を持って、近寄ってみたい、触ってみたい、そう思って触れ、そしてお互いに与えあうから、それが延々と巡り巡って、人との関わりを循環させている。



だんだん暗くなってきた。



今日も、妻とテレビ電話をした。

みんな遠い所にいる。


近くにいない。

循環しない。


もう暗くなった。

新しい枝を拾いに行く事も出来ない。


ランタンに虫が集まってきた。



今手元に拾い集めた木の枝が全て燃え尽きたら、部屋に戻って眠ろう。

今日はハンモックで寝るのもやめておこう。



例え話のような事をつらつらと述べたが、別にこの焚き火が終わったからって、私は消えてしまう訳ではない。


明日が来れば、明るくなって、新しい薪を拾って、もう一回火を付ければいいだけの事だ。


ただちょっと、今はとても寂しくて、気持ちのやり場を見失っているだけで。


こうやって考えていくと、誰とも関わらない方が楽なんじゃないかなって思えてくる。


また明日、会社に行って、みんなと喋っていれば、また少し気も紛れるのかな。



寂しいなぁ。

どうしたら良いんだろう。


思いの外、燃え切らない。

こういう時、みんなはどうしているんだろう。


お腹すいてきた。


ここから動けない。

悲しい。

上手くいかないな。

やるせない。

さっさと寝たら良いのに。


一人っていうのは、やっぱ駄目だな。

誰かがここにいてくれたらな。


誰かマシュマロとか買ってきてくんないかな。

私が誰にも頼まないんだから、誰も買ってきてくれる訳がないんだけど。


誰かに会いたいな。

誰かと喋りたい。

どうしようもないな。


早く7月にならないかな。

家族に会える。

会社の人とバーベキューする約束してる。


こんな姿の私を見たら、みんなどんな事を思うんだろうな?

多かれ少なかれ、誰にでもこのような瞬間はあるんだろ?


だけど、それを他人と共有出来ないから、お互いに何かを求めてる。


一人は嫌だなー。

もう沢山だ。

満足した。

自由じゃなくなっていいから、一緒に火を囲んでくれる人に側にいて欲しいよ。



もう寝よう。

なんか、まだ焚き火は燃え尽きていないけど、少し疲れたし、眠たくなってきた。


やっぱり、ウイスキーを一杯だけ飲んでから寝よう。

アバフェルディ12年があと60mlくらい残ってるから、それを飲んでから寝よう。


明日になったら、今よりマシになるはずだ。