33年前、母になった。

子宮に奇形があり自然分娩は絶対無理と言われ、実際臨月になっても赤ちゃんは降りてこず子宮口も固く開かない。

予定日近くに入院。

「麻酔科、小児科すべて万全ですから」

と言って頂き安心してのぞむ!

翌日の出産に備えてご飯なし「はい、カンチョウしまーす」で、人生初の他人にカンチョウされ。

トイレでん?

なんか、水?

ん?

「あ、あの!水みたいのウンコじゃなくて出ているんですけど」

破水!

あわてる私、それ以上にあわてる看護師さん。

あ、なんか痛い、生理痛のひどい感じ。

えーと、帝王切開のつもりでヒッヒッハー(呼吸法)は習ってない。

その場で教えてもらってヒッヒフー。 

里帰り出産で旦那は遠方、親も「明日の手術の時間にくるねー」で誰もいない。

私も初めての陣痛でヒッヒフーしか考えられない。

早朝「子宮口開いたから分娩室いきますね!」「お母さんに連絡した?」と言われ

あ?いや、忘れてた。

慌てて電話「うまれるー」

分娩室で「いきんでー」「はい!深呼吸ー」とか言われて

「はい!産まれたよー」

が、あっと言う間。


駆けつけた母も間に合わないくらいの安産。


産科医「陣痛来たから昼の手術までもつかヒヤヒヤしてました。この症例で普通分娩できた事を学会で発表しても良いですか?」

な、娘誕生。


おめでとう、ありがとう。