この4月からAir-G(FM北海道)で「朝カラ!」という新番組が始まった。
日曜の朝5:50から始まる10分番組だ。
日曜の朝6時前。これから起きる人8割、寝る人2割(サトル調べ)という微妙な時間。
約18年のラジオパーソナリティ人生の中でも早朝の番組というのは初めての経験で、こんな時間にどういったトーンで何を話せばいいのやら…と困惑していたのだが、ディレクターの「サトル君の曲を毎週1曲、丁寧に紹介しましょう」という助言で一気にスッキリ。歌が出来た背景を語ったり歌詞の一部を朗読したりして、なんだか楽しくやっている。

この「朝カラ」は川崎市にある僕のプライベートスタジオ「studio mode key」でナレーション部分を収録し、それをネットでAir-Gに送信。ディレクターが受け取ったナレーションデータを曲と合わせて編集しオンエアする…という制作スタイルをとっている。
こういった方法は最近の番組制作ではそれほど珍しいことではなく、僕がここ数年担当してきた番組はほとんどこのスタイルで作られてきたと言ってもいい。

考えてみるまでもなく、この方法は番組の制作費を大幅に削減できるわけで、こういったスタイルは僕が係わるほとんどのプロジェクトでも利用されている。
例えばCM制作。(いろいろやってんのよ)
最近で言えばケルヒャージャパンのCM。
ディレクターから絵コンテをメールでもらって、それを元に楽曲を制作、レコーディングしたものをfirestorageとか宅ファイル便等でディレクターに送る。その後、電話での打ち合わせで内容を煮詰めていって、同様の手段で納品。以上を持ちましてプロジェクト終了!お疲れ様でした!さ、飲むぞー!(1人で)
その間、僕は1度もディレクターとは会っていないし、実際の制作現場に立ち会うこともない。
ひたすらにネットと携帯を駆使してプロジェクトは始まり、そして終わるのだ。
決してそれで作品の質が下がるというようなことはなく、それどころかそのCMは、とある賞を受賞した。

レコーディングも同様。
友人で恩人の瀬木貴将氏のアルバムを僕のスタジオで録った時のこと。
ある曲でアコーディオンが必要になった。瀬木さんはどうしてもアルゼンチン在住のピアニスト、Hugo Fattorusoに弾いてもらいたいという。
そこで仕事で定期的に南米に通う瀬木さんが、ある時にオケ(カラオケ)をCDに焼いてブエノスアイレスに立ち寄り、それに合わせてHugoにアコーディオンを弾いてもらい何テイクかを収録。それをネットで川崎の僕のスタジオに送り、ハードディスクに取り込んで無事に世界を股にかけたレコーディングは成功したのだった。


要するに
「番組もCMもレコーディングもネットと電話さえあれば日本中、いや世界中どこにいてもできるんです!」
ということだ。


年のうち数ヶ月はそんなスタジオ仕事。
数ヶ月はツアーで留守。
…ということを考えると、東京近郊に住み続ける意味ってあんまりなくなってくるよなあ。
少なくとも僕の場合は。


ということで
「だったら私の街に住んで!こんなにいいところだし!」
「いやいやおいどんの町にきんしゃい。龍馬万歳!」
…的な自慢&誘致募集。
気に入ったらほんとに引っ越しちゃうかもよ!…なんつって。



画像は「本文とは関係無いシリーズ」
先日ライブで行った金沢で食べたホタルイカの石焼き。
焼いてる最中に光ったら最高だったんだけど。

$坂本サトル「日々の営み public」