兄弟とのセックスは近親相姦と呼ばれ、劣性遺伝子を増やすリスクがあるため、米国では50州のほとんどすべてで違法とされていますが、動物の場合は野放し状態で、アメリカンケネルクラブでも禁止されていません。
カリフォルニア大学デービス校の研究者らの発表によると、純血種の犬の「近親交配係数」は平均0.25で、2頭の兄弟に１頭子供がいる確率で近親交配が行われていることが分かりました。
近親交配は多ければ多いほど遺伝性疾患が多くなることがわかっています。
その昔、ジャーマンシェパードの背中はまっすぐで、パグは高さのある鼻をもっていて、チャウチャウは小さく皴が少なく、ブルテリアの頭蓋骨は通常の形をしていました。
現在、ブルドッグの頭は大きすぎて多くが自然に生まれることができないし、パグは小さな頭蓋骨が呼吸を困難にし様々な異常をもたらし、ジャーマンシェパードなどの大型犬は股関節形成不全になりやすい傾向にあります。
他にも、犬の近親交配は、同腹児数の減少、生存する新生児の減少、寿命の短縮などをもたらします。
近親交配は、犬だけでなく猫や鳥などでも行われています。
これはブリーダーだけの責任ではなく、我々飼い主が長年にわたって近親交配を問題視せず、大きな目、平らな顔、珍しい色などの動物の外見に惹かれ、執着した結果がもたらしたものともいえます。
我々飼い主は、動物を金儲けの道具としか考えていない近親交配が当たり前のブリーダーやペットショップからではなく、動物のことを一番に考えてブリーダー業を営んでいる人からペットを迎えるべきですね。
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