筆者は長年製薬会社にいた経験から、伴侶動物の体内に入れる薬やフードはメーカーで選んでいます。

 

主な理由は、

1. 先発品でもばらつきが大きく血中濃度が上がらない医薬品がある。

2. 抗体価が上がらないワクチンがある。

など実際に見てきたからです。

 

ジェネリック薬は人用だけでなく動物用もあります。

 

ジェネリック薬は、安定性や溶解性、実際に投与したときの血中濃度が先発品と同等かの試験をして、同等であれば国に承認されるわけですが、そのときの先発品のデータが、上記のような結果となることをいくつも見聞きしてきました。

 

もちろん、問題ない先発品もありますが、それはメーカーの姿勢に依存すると筆者は感じています。

 

先発薬だろうとジェネリック薬だろうと、医薬品と名の付くものは全てGMP基準に従い適正に製造されているはずですが、実際こういうアンビリーバボーなことが起きているわけです。

 

医薬品の製造所への国の査察は、基本5年に1回行われていますが、残念ながらスルーしてしまうことはあり、メーカーの不正が表に出るのは内部告発によるものが殆どです。

 

医薬品ですらこんな状態なわけですから、厳格な基準がそもそもないフードやサプリがもっとひどいことは容易に想像できます。

 

動物の健康や幸福など眼中になく、「売上/利益を伸ばしたい」、「会社を大きくしたい」などとしか考えていない企業は山のようにあります。

 

数字ばかり気にして社会的責任(CSR)意識をなくしてしまった会社がどういうことをしてきたか、ニュースを見ている皆さんはうんざりするほど分かっているはずです。

 

物扱いなのに飼い主がお金を惜しまない「ペット産業はハードルが低く儲かる」と目を付けられています。

 

筆者の場合、この業界が長く、金儲けではなく思いを達成するために会社を立ち上げHPを作った側なので、貪欲メーカーのHPから漂う臭いには敏感ですが、飼い主目線だけだとそういうメーカーの心揺さぶられるキャッチコピーに騙されてしまうかもしれません。

 

どんな会社かは、社長挨拶、企業理念、沿革などからも伝わります。

急成長している会社は特に注意が必要です。

 

愛する子の薬やフードなどを選ぶときは、飼い主としてではなく企業目線でメーカーを選ぶことをお勧めします。