昔から「動物好きに悪い人はいない」と言いますが、動物病院の獣医師には純朴な人が多く、筆者がこの仕事をやめられない理由の一つでもあります。

 

しかしながら、そんな獣医師を百戦錬磨の経験を積んできた飼い主が下に見る場面に遭遇することがあり、その原因は、獣医師の国語力のなさによるものと筆者は感じています。

 

例えば、「治験で効果があったから!」とか「エビデンスがあるから!」との説明に対し詳しく聞いてみると「治験」ではなく「症例報告」や「市販後調査」だったり、「商業誌掲載の一獣医師の報告」や「企業がらみの論文一報だけ」のことを堂々と「エビデンス」と言ったりすることなどがあげられます。

 

言葉を軽く使う獣医師が多いのです。

 

そのため、その辺りを分かっている飼い主は「この先生大丈夫かなあ?」と眉に唾をつけるのだと思います。

 

また、動物病院で治験の説明に立ち会うと、殆どの獣医師は一生懸命に飼い主に説明し、質問に答えようとするのですが、飼い主が知りたいことにストレートに答えず前置きが長く、飼い主をイライラさせ疑念を抱かせ深みにはまっていく場をしばしば見かけます。

 

会社員は新人のときに叩き込まれることですが、「相手の質問にはまず答えを先に、理由は後で」が出来ていない獣医師が多いように思います。

 

一生懸命説明するので大抵は受け入れられていると思いますが、言葉や話し方で損をしてることもあるようです。

 

日本人は、血液型と同様に文系/理系で人を分類するのを好む傾向にあり、「文系だから計算が苦手」とか「理系だから国語が苦手」などとよく耳にしますが、昨今は文理融合教育が推進されているので、そのうち国語も得意な獣医師は増えてくると思います。

 

技術力は立派なのに、国語力で損するのはもったいないと思います。

 

もし、獣医師の説明で言葉の意味や説明の仕方に引っかかることがあっても、そこは置いておいて、話の中身をしっかり聞いてあげて欲しいなと思う今日この頃です。