長年、仕事で、動物病院の獣医師と接してきた筆者の経験から言うと、来院する犬や猫を「愛」をもって診る獣医師とそうでない獣医師の割合は、2対8くらいですね。

 

想定通りでしたでしょうか?それともビックリされたでしょうか?

 

人のお医者さんも同じだそうですが、毎日たくさんの患者を診るのに、一人一人に感情移入していたら、自分の身が持たないし、仕事にならないそうです。

もちろん、表面上は、そんなこと悟られないよう上手くやっています。

 

ただ、2割程度と少ないですが、1頭1頭に感情移入して診る、根っからの動物好きの獣医師はいます。

「私が一番すごいと思っている獣医師」ブログに書いた獣医師は、その中のトップクラスです。

彼は、一緒に道を歩いていたとき、前を横切ったお散歩中のラブを見て、いきなりその子に近づき、お尻側の背中を指で押し、ラブの反応を見て、「馬尾症候群の疑いがあるから動物病院で診てもらったほうがいい」と飼い主に言ったことがあります。

 

素人目からしたら普通の歩き方だったし、飼い主も気が付いてなかったとのことでしたが、彼は一目でおかしいと思ったそうです。

 

当然飼い主は、「うちの子に何するの?」的に驚いてアワアワしていましたので、私がすかさず「この人、動物病院の院長先生で、偉い人なんです。」と言っておさまり、その後、相談に乗って長々としゃべってました。笑

 

プライベートまでよそのペットに愛情をもって接する獣医師は、なかなかいませんよね。

貴重な存在です。

 

腕がよいと、来院数は自然に伸びてきますので、どんどん忙しくなり、愛をもって診る余裕がなくなるのは、仕方がないことと思います。

 

そういう意味で、愛も腕も十分にもつ獣医師は、少なくなってきているように感じます。

 

自分がついていてあげられない、ペットシッター、ペットホテル、トリミングなどには愛は必須ですが、獣医師に、1頭1頭に対する「愛」があるかないかは、「腕」に関係ありませんので、両方必要か、どちらかでよいか、は飼い主の方が選べばよいと思います。

 

    【愛を求めて必死に飛んでくるワク】