下積み時代のモチベーションとは | こーひーの丁寧なハナシ

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さかもとこーひーおゆみ野店店長(兼EC部門担当)の
週刊こーひーコラムです。

 

こんにちは。夜間はまだまだ涼しさを感じますが、日中は気温と湿度で汗ばむ陽気になってまいりました。いよいよ長い夏が始まりそうです。

 

夏といえば今年から小学生になった息子にとっては初めての夏休みがやってきます。我が家は共働きなので夏休み期間も学童保育に通うのですが、普段平日休みの僕と息子の休みが久々に重なるので、今のうちから色々と出掛けたり遊んだりするネタを仕入れておこうかなと考えています。きっとあと数年もしたら親よりも友達と遊ぶ時間の方が大切になってくるでしょうしね。

 

その前の7月には娘の七五三の写真の前撮りがあったりもします。僕自身や息子の時とは違って女の子は準備や段取りの密度が段違いのように感じます。普段の娘の言動含め、男兄弟の中育った僕にとっては女の子の成長は未だわからない事だらけです。勿論わからないからこそ新鮮で面白いというのもありますが。

 

街を歩いていても、SNSに流れてくる情報を見ても、個人店の飲食業や食品製造販売業の厳しさが伝わってきます。

 

物価高による原価高騰やそれに伴う値上げの影響でお客側の財布が固くなっていたり、または慢性的な人手不足でスタッフの確保が難しくなっていたりと、厳しさの種類や程度は様々ですが、特に飲食業界は未だ昔ながらの徒弟制度や、やりがい搾取的なブラック体質が色濃く残っていて、そのようなブラック的マンパワーで人件費を抑えて経営をしていたような会社が特に影響を受けていると思います。

 

特に店主側に「働かせてやっている」「技術を教えてやっている」「修行をさせてやっている」というような意識があると、今時の価値観を持つ若い子達には魅力的な職場にはなり辛いでしょうね。

 

僕自身も美容師時代に、そういった徒弟制度ややりがい搾取的価値観が残る時代に下積み修行をしていたので分かりますが、そういった条件下でも働き続けるためには、将来へのビジョン...具体的には

 

「今この職場で経験を積めば将来独立した時に箔がつく」

「一流の技術を教えて貰う為にはこれ位の厳しさは何ともない」

 

というような、頑張った事への対価がはっきりと感じられるかが大切なように感じますし、僕自身もそれを目標に働いていました。(とは言ってもそれに疑問を覚えた結果、将来への不安を感じたので辞めてしまったのですが)

 

今の時代でも、働き手側にそのような魅力や価値が感じられるような職場ならきっと頑張ってくれる子もいると思います。

 

しかし、「他の店と変わらないような技術やノウハウ」や「厳しい労働の割に低い賃金」しかないのに、「修行とは厳しいものだ」「下積みのうちはがむしゃらに働くべきだ」「俺が修行していた頃は今よりも厳しかった」と言ったところで、それは「ブラック環境で働く覚悟が無いならうちには来るな」と言っているのと同じ事ではないでしょうか。

 

今も昔もそうですが、どんな仕事でも労働には適切な対価があって、初めて雇用契約が成立するのだと思います。

 

人をこき使って企業が繁栄する時代から、雇用主もスタッフもそしてお客様にとっても三方良しの関係を築けるようにパラダイムシフトをしないと、個人店が存続するには困難な時代になってしまっているのを実感しています。

 

2024年6月9日

坂本壮太