過去に膠原病もどき膠原病で、概要だけをUPしましたが、属人的に気に成る事柄があり深読みをしてみました。
気になる事とは、PMR発症後足の浮腫みが数回あった事です。
それに、3年以上経過するのにPMRは完治する様子もないし・・・
ときたま、ググっていたらPMRと似た病にRS3PE症候群というのがありました。
以前概要をUPした際、RS3PE症候群は手足に浮腫みが出る事を思い出しました。
ひょっとして、PMRでは無くてRS3PE症候群じゃないの?
それが、深読みの理由です。参照データが多く順不同です。ご容赦ください。
RS3PE症候群とは
RS3PEとリウマチ性多発筋痛症の鑑別|Web医事新報|日本医事新報社 (jmedj.co.jp)
Remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema (RS3PE:R=remitting, S3=seronegative, symmetrical, synovitis, PE=pitting edema) は突然発症する対称性手足の浮腫を特徴とするリウマチ性疾患である。
日本語の病名はなく、予後良好な血清リウマチ反応陰性の圧痕浮腫を伴う対称性滑膜炎という意味である。1985年にMcCartyによって最初に報告された。puffy edematous hand syndrome、あるいは、distal extremity swelling with pitting edemaと呼ばれた事もある。
発症原因は不明
難病指定はされていませんがRS3PE原因究明のための研究班が設置されました。
RS3PE症候群(RS3PEしょうこうぐん)(平成21年度) – 難病情報センター (nanbyou.or.jp)
悪性腫瘍、リウマチ性多発筋痛症、シェーグレン症候群、パーキンソン病、パルボウイルスなどの感染症と関連が指摘されている。
HLA-B7が半数の患者で陽性である。
RS3PE症候群患者の血清中のvascular endothelial growth factor (VEGF)濃度が著明に増加しており、このVEGFによる血管透過性の亢進がRS3PE症候群患者の手足の浮腫の発現に関与しているものと考えられてい る(Arima K, Ann Rheum Dis, 2005)。
※HLAとは、一般的な「血液型(ABO式・Rh式)」は赤血球の血液型を言います。 白血球にも同じように血液型があり、これを 「HLA(エイチ・エル・エー)」 と呼んでいます。 HLAは数万通りの型があり、適合する確率は、兄弟姉妹間で4人に1人、それ以外では数百人から数万人に1人しか適合しません。同種造血幹細胞移植(骨髄移植)をする際、親族を最初に調べるのはそのためです。
私の義妹が実施し、移植は成功しましたが・・・
※同種造血幹細胞移植(骨髄移植)は誰からもできるわけではなく、HLAという白血球の血液型をある程度以上合わせる必要があります(赤血球の血液型は一致していなくても構いません)。HLAは移植に大きな影響をもつものが6つ、中等度の影響のものも含めると8つあります。
※VEGFとは、血管内皮細胞増殖因子(けっかんないひさいぼうぞうしょくいんし)のことで、血管新生(血管が枝分かれして血管を作る)に関与するの糖タンパクを指します。
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RS3PEの診断基準
RS3PEは高齢発症で予後の良いリウマトイド因子陰性の左右対称性,手背足背の圧痕性浮腫を伴う滑膜炎で,少量のステロイドによく反応する。PMRの類縁疾患との意見もある。
血液検査では、炎症反応(CRP上昇)がみられ、MMP-3も著増することが多いです。リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体、抗核抗体をはじめとする各種自己抗体は通常陰性です。骨のX線では骨びらんや関節破壊はありません。
比較的少量のステロイド(プレドニン10~15mg/日)によく反応し、疾患は改善傾向を示す。多くの場合寛解する。通常ステロイドのみで治療経過はよくステロイドの減量・中止が可能であるが、一部に治療抵抗性である場合があって、MTXなどの免疫抑制薬が検討される。難治性である場合、悪性腫瘍の鑑別が重要である。
RS3PE症候群特徴
①予後の良い(remitting),②左右対称性(symmetrical)で,③リウマトイド因子が陰性(seronegative)で,④急性発症する滑膜炎(synovitis)に加え,⑤手背に強い圧痕性浮腫(pitting edema)を伴うことを特徴とする疾患である。浮腫は時に足背にも見られる。
ほかの特徴として,⑥高齢で発症,⑦急な発症,⑧骨びらんはない,⑨痛みのない手首,指の運動制限を伴う,⑩検査上,炎症所見〔CRP, 赤血球沈降速度(erythrocyte sedimentation rate;ESR)高値〕を伴う,などが挙げられる。
加えて,⑪少量のステロイドに非常によく反応し,疾患は寛解する。
X線上関節破壊をきたさず、再発・再燃はまれである。
鑑別診断
①PMRやRS3PE症候群との共通点も多く,血清反応陰性の場合はしばしば鑑別診断が困難なことがある。
学術記事
②このような考えもあるようです。
PMRに特異的な検査がない以上,除外診断により診断の事前確率を上げる必要がある。PMRとRS3PEとの鑑別については,各々の典型例は,浮腫がなく,近位筋痛が強い場合はPMRと診断し,筋痛が強くなく,両側手背に圧痕性浮腫があればRS3PEと診断して問題にならない。
その訳とは
鑑別に苦慮する例もあるが,現実的にはどちらも少量のステロイドで効果を示し,背景に悪性腫瘍がないかどうかに注意するという臨床的ポイントは共通しており,明確な確定診断をする必要はないのかもしれない。
うーん一理あるかもです。
RS3PEとリウマチ性多発筋痛症の鑑別|Web医事新報|日本医事新報社 (jmedj.co.jp)
経過の中でより関節リウマチと言ってよい多発滑膜炎で再燃する場合もあり、その場合は途中で関節リウマチを発症したというよりも、最初の時点でRS3PEという臨床症状を呈したRAであったと考えるほうが自然。
ほとんどの患者が中等量のステロイド治療(15-20㎎/日)に反応するが、治療反応不良例では初期の血清CRP高値の場合は、悪性腫瘍の合併の可能性があるといえる。
初期の反応に乏しい例では悪性腫瘍検索が必要であるという点はリウマチ性多発筋痛症(PMR)によく似ているとも言える。
また少数例の後ろ向き研究で、血清マトリックスメタロプロテアーゼ 3(MMP3)高値が腫瘍随伴性のRS3PE症候群に特徴的であるという報告もされている。
※後ろ向き研究(後方視的研究)とは、過去に行われた診療上のデータ(カルテ等)を匿名化して用いる研究。
鑑別すべき疾患及びデータ比較
この病気と似ている病気として重要なものにリウマチ性多発筋痛症(PMR)と高齢発症の関節リウマチ(EORA)・血管炎があります。PMRでは通常筋肉痛が強く、関節炎が少ない点で特徴づけられますが、手足に浮腫をきたすこともまれにあり、その場合には判別が難しいことがあります。
※特に 60 歳以上で発症した関節リウマチを,高齢発症関節リ ウマチ(elderly-onset rheumatoid arthritis : EORA)と呼ぶ。
合併症
消化器系、前立腺などの固形癌や悪性リンパ腫の合併が多いので、全身的な精査も必要である。。悪性腫瘍やさまざまな膠原(こうげん)病とも合併しやすい。
東京大学医学部付属病院(東京都文京区)アレルギー・リウマチ内科の藤尾圭志教授は「RS3PE症候群は、裏に大きな病気が隠れている恐れがあります。必ず精密検査を行ってください」と呼び掛ける。この医師の指摘されているのは、下記腫瘍随伴性のRS3PEの事です。
※RS3PE (腫瘍随伴性RS3PE)とは
末梢の対称性の圧痕を伴う浮腫が悪性腫瘍の初期症状であることがある。
前立腺癌、胃癌、大腸癌が多く、他に悪性リンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL)でもみられた。
発熱、悪液質、体重減少などの全身症状の出現をみる場合は、悪性腫瘍の検索が必要である。
また腫瘍随伴性RS3PEではステロイドに対する反応性が悪いことが多い。
学術記事
RS3PE症候群は、いくつかの固形癌および血液学的疾患に起因する腫瘍随伴症候群として知られている。
・診断後15年まで継続監視例で、患者の多く(54 %)が最終的に癌を発症した。
・このため、年齢に応じた定期的がん検診が勧められる。
・胃癌、リンパ腫、および前立腺癌などの悪性腫瘍との相関が報告されている。
・前立腺、胃、大腸は、最も頻繁に関与する臓器である。
・非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病、 Tリンパ腫、肝細胞癌、子宮内膜腺癌または未分化肺癌との関連付けも報告されている。
・血清マトリックスメタロプロテアーゼ3は、腫瘍随伴RS3PE患者における( MMP-3 )のレベル(中央値437.3 ng / ml)は、腫瘍形成のない患者に比べて有意に高かった(中央値114.7 ng/ml) 。
RS3PEの臨床的特徴とは?RAとの鑑別は?治療反応性は? │ 倉敷中央病院 内分泌代謝・リウマチ内科ブログ (kchnet.or.jp)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240401/07/sakakita20/27/64/p/o0250025015419995831.png?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240401/07/sakakita20/63/a2/j/o1024041215419993192.jpg?caw=800)
日本での患者数・症例
疫学上の数は不明であるが、2021年迄の間150症例以上の症例報告がある稀な病気である。
患者数が少なく学術記事は少ないが症例研究(7名)の研究よると下記であった。
発症年齢はほぼ全例60歳以上である。特に70~80歳に多い。
海外の論文では男性に多い(2~4:1)とされているが、本邦では逆に女性にやや多い(1:1.5~2)
その他
膠原病の定義は下記のようです。
A病院では一くくりにして下記のようになります
B病院の定義は3種類に分類されています
C病院は基本変形型これが正しいような感じです。
D病院では4項目に分類
上記を見て分かるように、病名の分類も医師の考え方により相違していますよね。
なので、病もそれなりに混乱されているのではと推察されます。
まとめ
症状は幾つか似た点がありますが下記が相違していました。
①浮腫みはPMRでは極稀にあるようですが、私の浮腫みは一時的だったようです。
常時浮腫みが出てはいません。なので、これも除外です。
幾つかの写真を見ましたが、RS3PEのような極端なむくみではない事が分りました。
浮腫みが取れる迄の時間は長かったように感じますが、時間まで把握はしていません。
②RS3PE症候群は再発・再燃は稀である。私は、三回程再燃しています。
ただ、MMP-3データが最初から高く改善しないのは?等疑問もありますが中央値437
等という滅茶高い数値じゃありませんのでこれも除外です。
私のMMP-3⇒271⇒268⇒179⇒185(2/5) 発症時は取得していません。blogをするうちに回復傾向の目安になるとの方針の医師もおり、主治医に依頼し取得し始めました。
多分PMRが完治していないから高いのでしょうか?
③そもそも論ですが腫瘍随伴性RS3PE症候群では無いと思います。だとすれば、ステロイド効果により、もうとっくに回復している訳ですよね。
どうも認知機能の低下による判断力の低下のようです
なので、PMRの診断で正解だと思いました。
RS3PE症候群は、PMR・リウマチの関連疾患なのでの病の実態を知っていた方が同士の皆さんにも何かとメリットがあるのではと考え、せっかく調べたのでUPしました。
難解なるblogに成っちゃいました。
何か参考に成る事があれば何よりです。
最後まで読んでいただきありがとうございました
それではまたお会いしましょうね