先日、3日間程大腿骨の付け根付近が痛くなり、ネットで調べたら特発性大腿骨頭

壊死症の可能性ありとの事。

早期発見が何より大切との事でした

ステロイド治療経験者・酒飲み等が成り易いとの記載がありました。

芸能界では、美空ひばりさん・堀ちえみさん・坂口憲二さん・千原ジュニアさんが同病

です。

私の状況

初日・・・布団の中で朝方、大腿骨付近が針でチクチク刺すような痛みがあった。

翌日・・・家から出なかったが、終日チクチクと痛い。歩くのも何となく痛重い感じ。

神経痛かなと考え、20時頃湿布(足底腱膜症でもらった良く効く湿布)をしました。

21時頃、ズキンズキンと頭頂部に響くような痛みに悪化。これは、変だと直ぐに湿布を

取り綺麗に拭き取ったところ、30分程度でチクチク状態に戻った。

湿布箇所に傷も無く、同湿布は手首・足等過去に使用して全く異常は無かったもの

です。

翌日、イオンに買い物に行き、店内を散策したら、歩くのに痛いのです。

歩けない状況では無いのですが痛いのです。

足を引きずるようにすると軽減する感じでした。

3日目以降は外出せず、家で安静に努め歩いていません。

そのためか、チクチク感もなくなりました。

チクチクする痛みは、神経痛のようです。神経痛でも歩行支障もあるようです。

骨頭壊死の痛みは壊死した骨頭が陥没して初めて起こるようですので、私の場合

神経痛に間違いないと思います。

歩行時の足の痛みは再現するか分かりませんが、しばし様子見とします。

発症原因として、長期間の飲酒(現在はあまり飲みませんが)・喫煙実績並びに

ステロイド投与中でもありますので、同志の皆さんより確率は高い状況です笑い泣き

ステロイド治療者は多いと思うので、参考のために同志の皆さんに情報提供をさせて

いただきます。

 

前置きが長くなりました。

本題です。

特発性大腿骨骨頭壊死症

概況

大腿骨頭の一部が、血流の低下により壊死(骨が腐った状態ではなく血が通わなくなって骨組織が死んだ状態)に陥った状態です。

骨壊死が起こること(発生)と、痛みが出現すること(発症)、には時間的に差がある

ことに注意が必要です。

つまり、骨壊死があるだけでは痛みはありません。骨壊死に陥った部分が潰れることにより、痛みが出現します。したがって、骨壊死はあっても、壊死の範囲が小さい場合などでは生涯にわたり痛みをきたさないこともあります

 

日本人の発症者数

日本全国における1年間の新規発生数は約2,000~3,000人で、これら新患における 好発年齢 は全体では30~50歳代男性では40歳代女性では60歳代が多く、働き盛りの年代に好発するといえます。新患における男女比は、全体では1.5:1で男性に多い

 

ステロイド(副腎皮質ホルモン)剤の服用に関連して生じることが多いことが判明

原因・病態

発症原因の危険因子
大腿骨頭壊死は、股関節骨折や股関節脱臼に続いて発生することがあります。 さらに、糖尿病、鎌状赤血球貧血、腎臓病アルコール依存症痛風、ゴーシェ病(長い骨や骨盤の外層が浸食されるなどの多くの異常が起きる遺伝性疾患)などによっても引き起こされることがあります。

特発性大腿骨頭壊死症は、危険因子として、SLEなどの免疫異常の疾患(膠原病)や同病治療の為・及び臓器移植などによるステロイド投与アルコール、喫煙が関連していることがわかってきています。

 

ステロイド性

患者さんの約半数に、ステロイド薬の全身投与歴があります。

3か月以内に累積2gを超えるプレドニゾロン投与、または、同等力価の糖質コルチコイド投与歴糖質コルチコイド投与から2年以内に特発性大腿骨頭壊死症と診断された例もある。
特に、短期間に大量投与する治療を受けた場合や、11㎎以上のステロイド薬を長期間内服した場合に、発症するリスクが高くなることが判っています。ステロイド性の発症者数は、女性に多い。膠原病もどきを含め、女性に患者が多いからでしょうか?
ステロイド薬を使う代表的な疾患として、全身性エリトマトーデス(SLE)などの膠原病

血液疾患(白血病、再生不良性貧血)、ネフローゼ症候群などがあげられます。

 

アルコール性

あらゆる種類のアルコール飲料のアルコール量400 mL/週(もしくは320 g/週)を

超えるアルコール摂取を6ヶ月以上継続している。
この用量のアルコール摂取から1年以内に特発性大腿骨頭壊死症と診断された例も

ある。

患者の約3割がアルコールを愛飲していたことが判っています。目安として、日本

酒で毎日2~3合以上、10~15年以上飲んでいる場合に多く認められます。

特発性大腿骨頭壊死症の診察が可能な病院・クリニック 470件 【病院なび】 (byoinnavi.jp)

 

症状

骨壊死が発生しただけの時点では自覚症状はありません症状は骨壊死に陥った

部分が潰れて大腿骨頭に圧潰(あっかい=圧力が掛かって潰れること)が生じたと

きに出現します。大腿骨頭壊死症の発生から症状が出現するまでの間には数ヵ月

から数年の時間差があります。自覚症状としては、比較的急に生じる股関節部痛

特徴的ですが、腰痛、膝痛、殿部痛などで初発する場合もあります。

痛みのため、患部の関節可動域の制限、足を引きずること(脚に発生した場合)など

があります。

初期の痛みは安静によって2~3週で軽減することもありますが、大腿骨頭の圧潰の

進行に伴って再び増強します。

 

 

具体的進行状況

一度に圧潰がすべて起こるわけではなく、何回かに分けて、段階的に圧潰が進んで

いくことがあります。最初の圧潰がわずかな場合には、一時的に痛みが生じても数日

で痛みが和らぎまた普通に歩けるようになります。

しかし、数か月(人によっては年単位)経ってから次の圧潰が起き、大腿骨頭が変形

してくると、「歩くときにいつも痛い」「何もしてなくても股関節が痛む」などの症状があらわれます。

 

<重症度分類>

TypeB、TypeC又はStage2以上を対象とする。

 Type A:壊死域が臼蓋荷重面の内側1/3未満にとどまるもの又は壊死域が非荷重部のみに存在するもの


Type B:壊死域が臼蓋荷重面の内側1/3以上2/3未満の範囲に存在するもの
Type C:壊死域が臼蓋荷重面の内側2/3以上に及ぶもの
Type C-1:壊死域の外側端が臼蓋縁内にあるもの
Type C-2:壊死域の外側端が臼蓋縁をこえるもの
 

 

骨頭壊死 どんな痛み?

痛みは壊死した骨頭が陥没して初めて起こり、陥没の程度が大きいほど大きな症状を引き起こすようです。 よって陥没の程度がごくわずかな時期は股関節から殿部の違和感程度の場合があります。 痛みは股関節にとどまらず太ももや膝の痛みとして感じる人もいます。 また殿部の痛みのため坐骨神経痛として治療を続けられている人もいます。

 

骨の痛み どんな感じ?

骨の痛みは通常、深部の痛み、突き刺すような痛み、または鈍い痛みです。 一般にけがが原因で起こります。 その他、骨の痛みのあまり一般的でない原因として、骨の感染症(骨髄炎 細菌、抗酸菌、真菌が血液を介して、あるいは近くの感染組織や開いて汚染された傷から広がり(こちらの場合が多い)、骨に感染することがあります。

 

 

診断

X線での骨頭圧潰(陥没を認め段差を生じている状態)または、crescent sign(骨頭軟骨下に骨折線を認める(図1)や骨頭内の帯状硬化像(おびじょうこうかぞう:壊死した領域と健常な領域の境界がX線で白く写る状態)で、さらにMRIのT1強調像で帯状硬化像と呼ばれる骨頭内帯状低信号域(図2)が特徴的な画像所見です。

(慶応義塾大学病院資料を参照させていただきました)

図1 単純X線像. 正面像(A):側面像(B)

 (図1)単純X線像. (左)正面像:(右)側面像

図2 MRI(T1強調冠状断像)

図2. MRI(T1強調冠状断像)

 

治療

治療法は年齢、内科的合併症、職業、活動性、片側性か両側性か、壊死の大きさや

位置などを考慮して決定します。

(1) 保存療法
壊死の大きさや位置から 予後 がよいと判断できる場合症状がない場合保存療法の適応です。 関節症性変化 が進むまで可動域は比較的保たれるため、積極的な可動域訓練は必要ない場合が多く、疼痛が強い時期には安静が大切です。杖による 免荷 や、体重維持、長距離歩行の制限、重量物の運搬禁止などの生活指導を行います。疼痛に対しては鎮痛消炎剤の投与で対処します。
しかしながら、これらの方法では圧潰の進行防止は大きく期待できないため、圧潰進行が危惧される病型では 骨頭温存 のための手術療法の時機を逸しないことが重要です。症状が出現すれば、変形が進む前に手術療法を受ける方が治療効果は高くなります。


(2)手術療法
自覚症状があり圧潰の進行が予想されるとき速やかに手術適応を決定します。若年者においては自分の関節を残す骨切り術が第一選択となりますが、壊死範囲の大きい場合や 骨頭圧潰 が進んだ症例高齢者などでは人工関節置換術が必要となることもあります。また、最近では壊死部の骨再生を促す再生医療の臨床研究もおこなわれています。

 

骨切り術専門医の見解

骨切り術は、自身の関節再生能力に期待する手術です。施術対象は、進行度が前期・中期で、年齢が50歳くらいまでの人が多くなります。骨盤側もしくは大腿骨側かの骨を切って、関節を温存したまま股関節の痛みを緩和させます。

 

近年では、大腿骨側の手術を行うことは激減しています骨切り術で大腿骨のかたちを大きく変えてしまうと、後に行う人工股関節置換術の耐久性にまで影響を及ぼすため、より慎重な判断が必要でしょう。

 

A.大腿骨内反骨切り術
大腿骨の転子間部で大腿骨頭及び頸部を内側に傾け(内反させ)たときに、壊死部が内側へ移動し荷重部からはずれる場合に適応があります。骨切りの形状に工夫をした大腿骨転子間弯曲内反骨切り術では合併症が少ないとされています。


B.大腿骨頭回転骨切り術
大腿骨頚部軸を回転軸として大腿骨頭を前方あるいは後方に回転させることで壊死部を荷重部から外し、健常部を新しい荷重部とする方法です。また、同時に大腿骨頭を内反させることにより、寛骨臼荷重部に対する健常部の占める割合をさらに増やすことができます。


C.人工関節置換術
圧潰した大腿骨頭を人工骨頭で置き換えたり、股関節全体を人工股関節で置換したりします。骨切り術に比べて早期から荷重が可能で、入院期間も短期間ですみますが、人工物自体に耐久性の問題があり、将来再置換術が必要になる可能性があることを念頭に置く必要があります。若年者の場合は骨切り術の可能性をできるだけ追求し、人工関節置換術の適応には慎重でなければなりません。

 

専門医の見解

人工股関節置換術は、術後の経過がとても良い手術と言われています。今までの痛みがほぼ消えて、どちらの脚が痛かったかすら忘れてしまうこともしばしば

しかし、その中でも比較的頻度が高く困った合併症が「脱臼」です。

 

人工股関節置換術の仕方は、大きく分けると、前方系アプローチ後方系アプローチの2種類があります。前から手術するか後ろ(もしくは側方)から手術するかの違いです。

前方系アプローチの脱臼率は0~2.2%で後方系アプローチの脱臼率は1~9.5%と言われ、後方系アプローチの方が脱臼リスクが高いことが知られています。

 

手術の予後

予後 壊死領域の大きさと位置により、大腿骨頭の圧潰が将来発生するかどうかはほぼ予測できる。ごく小範 囲の壊死であれば自然修復する場合があることが報告されている。壊死領域が小さく、非荷重部に存在す る場合は無症状で経過できる可能性が高い。壊死領域が比較的大きくても、関節温存手術のよい適応とな る範囲であれば、術後は良好な予後も期待できるが、変形性関節症への進展の有無につき継続的な診療 が必要となる。関節温存手術を行う際には、手術時機を逸しないことが重要である。荷重部に広範な壊死 が存在している場合には、骨頭温存手術は困難であるが、骨頭圧潰が著明で疼痛のため QOL が低下した 場合は人工関節置換術を行うことによって良好な予後も期待できるが、術後の脱臼やゆるみの有無のチェ ックが継続的に必要であり、10~15 年程度の経過で、人工関節再置換術が必要となることが多い。

仰臥位前外側アプローチ(ALS THA)手術の場合ダウン

手術アプローチによって脱臼リスクが異なる - 久留隆史オフィシャルサイト|人工股関節専門ドクター (kokansetsu-dr.com)

軽いスポーツ、例えばウォーキングや軽いジョギング、ゴルフ・水泳・卓球・軽登山・ボウリングなどは許可しています。人と人が激しくぶつかり合うスポーツは脱臼のみならず、骨折の危険性があるため、控えていただくように指導しています。

その他

万一、特発性大腿骨頭壊死症になり、痛みが出現した場合でも、手術などの適切な治療により、痛みのない生活を送ることができますので、過度な心配は禁物です。
 本症は厚生労働省の指定難病に指定されており、医療費補助の対象となっています。指定難病の申請については、整形外科専門医にご相談ください。


 

まとめ

問題なのは、初期の自覚症状が無い事です。

ステロイド投薬治療を受けられた方等は、大腿骨骨頭壊死症という病になる可能性が

有る事を頭の隅に置かれ、気になるようであれば極力早めに整形外科等を受診しま

しょう。

手術をする場合は、経験豊富な専門医『久留』先生のような大ベテランにしていただければ安全・安心だと思います。

上記手術予後のように、痛みもなくほぼ日常生活を維持できるようですので過度な心配は不要かと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございましたお願い

それではまたお会いしましょうねバイバイ