『病名はリウマチ性多発筋痛症』ですが、リウマチではありません

病名を伝えられた時の事を思い出しました。

リウマチ・・・指の関節が変形して痛い・・・・

程度の認識でしたので、少し調べてみました。

 

リウマチの症状

関節リウマチは免疫の異常により関節が腫れ放っておくと関節が変形

してしまう病気です。


腫れや激しい痛みを伴い、関節を動かさなくても痛みが生じるのが、

他の関節の病気と異なる点です。


手足の関節で起こりやすく、左右の関節で同時に症状が生じやすい

ことも特徴です。


その他にも発熱や疲れやすい食欲がないなどの全身症状が生じ、

関節の炎症が肺や血管など全身に広がることもあります。

 

 

1.全身に起こる症状

リウマチには活発に悪さをする時期 ( 活動期 ) そうでない時期があり、

活動期には、からだのあちこちに症状が出やすくなります

 

37℃台の微熱体重減少貧血リンパ節の腫れなどのほか、目や口が

乾いたり息切れだるさ、疲れを感じることもあります。

上記の朱記部分はPMRの症状と同じですね。

 

2. 関節に起こる症状(下記図3)

早期に現れやすい関節リウマチの主な症状

・朝のこわばり

朝起きてすぐに手が開きにくい、体を動かしにくい。症状は起きて

30分程度で消える。

これもPMRと同じです。

 

・関節の痛みや腫れ

  1. 関節に痛みが生じたり、熱をもって腫れたりする。
  2. 関節の痛みや腫れが左右対称に現れる。
  3. 多くの関節が同時に腫れたりする。

( 2 ) 関節炎

関節は熱っぽくなって腫れますが、赤く腫れることはまれで、動かすと痛みが

強くなります。

こうした関節炎は、手首や手の指の付け根、第二関節、足の指の付け根など

の小さな関節のほか、足首、肩、ひじ、ひざ、股関節などの関節に起こること

もあります。

左右対称に起こったり、あちこちに移動するのが特徴です。

 

 

 

※ 第1関節の腫れ痛みは『へバーデン結節』です。実体験済泣くうさぎ

( 3 ) 関節水腫 ( かんせつすいしゅ )

関節が炎症を起こすと、関節の中にある液が大量にたまることがあり、この

状態を関節水腫とよびます。これがひざ関節に起こると、ひざのお皿の周り

が腫れたり、ひざの裏側が袋状にふくらみます。

 

( 4 ) 腱鞘炎 ( けんしょうえん )

腱は手や足の筋肉が骨に付着するところにあり、腱鞘という刀の鞘のような

組織でくるまれています。

腱もしくは腱鞘に炎症が起こると、腫れて指などの動きが悪くなります。

いわゆる「ばね指」は、腫れた腱が腱鞘の中を引っかかりながら動くことで、

指がばねのように弾みます

 

( 5 ) 滑液包炎 ( かつえきほうえん )

滑液包は、関節の周囲にある袋状の組織で、関節の摩擦を減らすゼリー状

の滑液が入っています。

ここに炎症が起こると、さらに滑液がたまって腫れ、痛みます。

滑液包炎は、ひじや足関節、ひざの前面によくみられます。

これがPMRの根本原因ですが、リウマチでもなるのですね。

 

( 6 ) 関節変形

リウマチが進行すると、関節が破壊され、筋肉も萎縮するなどして、関節

が変形します。

外反母趾のような形や、手足の指が外側を向いたり反り返ったりなど独特

の形状がみられ、これらは総じてリウマチ変形とよばれます。

 

( 図3 ) 関節の症状が出やすい部分

 

3. 関節以外に起こる症状 (下記 図4 )

( 1 ) リウマトイド結節 ( けっせつ )

ひじやひざなどにできやすく、大きさは米粒大から大豆程度までさまざまですが、

痛みはありません。

( 2 ) 肺障害

リウマチでは、肺に障害が現れることがあります。リウマチ肺とよばれる

間質性肺炎 ( かんしつせいはいえん ) や肺線維症は、症状として息切れ

や空咳などがみられます。

また、肺に水がたまる胸膜炎 ( きょうまくえん ) が起こることもあります。

なお、リウマチの治療薬や感染症でも肺障害を起こすことがあるので、

その原因についてよく調べることが重要です。

( 3 ) 悪性関節リウマチ

リウマチでは、まれに血管に炎症が起こって症状が重くなることがあり、この

ような状態を悪性関節リウマチとよびます。

太い血管の炎症では、心筋梗塞や間質性肺炎、腸間膜動脈血栓症などを

起こします。

手足の細い血管の炎症では、皮膚潰瘍や神経炎などを起こします。

( 4 ) 二次性アミロイドーシス

リウマチの強い炎症が長く続くと、アミロイドというタンパク質がからだの

あちこちにたまるようになります。

アミロイドが腸管にたまって下痢を起こしたり、心臓にたまると心不全、腎臓

では腎不全の原因になります。

こうした症状を起こす前に、適切な治療を受けることが大切です。

 

( 図4 ) 関節以外に起こる可能性がある症状

 

リウマチの発症原因

原因は未だ不明ですが、遺伝的要因や、喫煙、⻭周病などの環境要因

関与が指摘されています。

細菌やウイルスの感染、過労やストレス、喫煙、出産けがなどをきっかけ

に発症することがあります。

 

⼥性は男性のおよそ 4 倍多く30~50 歳 代での発症が多い

ですが、

最近ではさらに⾼齢で発症する⽅も増えています。

 

こうした病気は“自己免疫疾患”とよばれ、体質的にかかりやすい人が

上記を含む、何らかの原因によって発症すると考えられています。


また、リウマチが家系内で発症することもありますが、一般にそれほど強い

遺伝性はありません

 

上記の症状が分ったらどこへ相談すれば良いの?

発症から1年以内に関節破壊が急速に進行するため、早期に発見して早期に

治療することが重要となります。


また、「関節リウマチ」と病気を確定する診断は意外と難しいため、できるだけ

リウマチ専門医へ相談するのが近道で良いでしょう。ダウン

県名入力⇒検索⇒各病院のHPへ

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関節リウマチ診断基準

日本リウマチ学会が定めた早期関節リウマチの診断基準(1994年)

 
(1) 3つ以上の関節で、指で押さえたり動かしたりすると痛みを感じる
(2) 2つ以上の関節に炎症による腫れがみられる
(3) 朝のこわばりがみられる
(4) 皮下結節(リウマトイド結節)がひじやひざなどにみられる
(5) 血液検査で赤沈に異常がみられる、またはCRPが陽性である
(6) 血液検査でリウマトイド因子が陽性である

上記の6項目のうち、3項目以上にあてはまる場合を早期関節リウマチとします。

 

 

病院ではどうやって診断するの?

関節リウマチの症状は、他のリウマチ性疾患の症状と似通っているため、

関節リウマチかどうかを判断することは簡単ではありません

診断は問診、診察、血液検査などに基づいて専門医が行うことになります。

 

初期治療の重要性から、関節リウマチを早期に診断するために、関節1ヵ所

でも腫れていて、画像診断で骨びらん(炎症による骨病変)が確認

できれば、関節リウマチと診断する基準が発表されました。

 

( 1 ) 血沈

血液中の赤血球が、試験管の中を一定時間内にどれくらい沈んでいくかを

調べます ( 赤血球沈降速度、赤沈 )

これは、リウマチの炎症の度合い ( 活動性 ) をみる検査です。

正常値は、1時間で男性が10mm以下、女性が20mm以下で、リウマチが

悪化するにつれて値が進んでいきます。

関節リウマチ患者=50mm前後⇒重度の炎症の場合=100mm以上

 

( 2 ) CRP

リウマチによる関節炎の程度を表すCRP ( C反応性タンパク ) の値を調べます。

正常値は0.3mg/dL以下で、炎症が強いと10mg/dLを超えることもあります。

 

( 3 ) 抗CCP抗体

環状シトルリン化ペプチド ( CCP ) とよばれる物質に対する抗体です。

ごく早期のリウマチでも血液中にみられることから、早期診断に応用され

ています。
この抗体が多くみられる患者さんは関節破壊の進行も早いため、強力な

治療を行います。正常値は4.5 U/mL未満

 

( 4 ) リウマトイド因子

リウマチでは、自分のからだの細胞や組織に対する抗体が生み出されます。

その一つがリウマトイド因子で、この値が高いとリウマチ反応が陽性とされ、

リウマチが疑われます正常値は15 IU/mL以下


ただし、リウマチ患者さんの約75% で陽性ですが、残りの25% は陰性です

また、肝硬変や慢性肝炎、結核のほか、まれに健康な人でも陽性になる

こともあり、リウマチ診断に絶対的なものではありません

リウマチの活動性の評価に使用されることもあります。

 

( 5 ) マトリックスメタロプロテアーゼ3 ( MMP-3 )

関節中の滑膜組織からつくられる酵素で、関節炎がひどくなると、その量は

より増加します。

リウマチ診断の補助に使われ、また治療薬の効果を調べるのに役立ちます。

正常値は17.3~59.7 ng/mL ( 女性 )36.9~121 ng/mL ( 男性 )

 

( 6 ) そのほかの検査値

リウマチの活動期には貧血 ( 赤血球の減少 ) がみられます。

また、血清総タンパクとアルブミン値も低下します。

反対に、白血球と血小板数は増加し、グロブリン値、アルカリホスファターゼ

値が上昇することもあります。

 

2. 尿検査

リウマチが長く続くと腎臓の機能が悪くなり、尿にタンパクが出ることがあります。

尿検査は、薬の副作用や、ほかに発病した病気 ( 合併症 ) のチェック

もできる大切な検査です。正常値は尿タンパク  陰性 ( - )              

 

3. 骨や関節の画像検査

X線検査では、骨が虫食いのように欠けたり ( 骨びらん ) 、関節のすき間

が狭くなって骨同士がくっつく状態 ( 強直 ( きょうちょく ) ) などから、

リウマチの進行度がわかります


「関節エコー検査」は、リウマチの早期診断に使われます。

また、個々の関節の炎症の程度を知ることもできます。


CT検査は首 ( 頸椎 ) や太もも ( 大腿骨頭 ) の病変間質性肺炎など

をみるのに有効です。


MRI検査では骨の中で起こっている炎症や滑膜の増殖の度合い

骨びらんなど早くからわかります。

 

治療はどうするの

治療の基本は、発症早期から、関節リウマチにおける免疫異常を改善する

「抗リウマチ薬」を開始し、必要に応じて、炎症や痛みを軽減する「ステロイド」、

「痛み止め(非ステロイド系抗炎症薬)」を使用します。

 

抗リウマチ薬は効果発現に1~3ヵ月かかるため、副作用に気を付けながら

継続することが重要です。

 

また、新たな抗リウマチ薬として、高い治療効果が期待できる「生物学的製剤」

「JAK阻害薬」が登場し、使用頻度が増加しています。

 

関節の変形、破壊が進行した場合には、人工関節置換術をはじめとした

手術治療も行われます

 

ここ数年でリウマチの新しいお薬が沢山登場し、リウマチの治療はとっても

良くなりました。

手足の痛みや腫れを良くするだけでなく、骨が変形してしまうリウマチの

進行もしっかり止める事もできるようになりました。


しかし、一度起きてしまったリウマチが進行したことによる手足の変形は、

いくらお薬を使っても元に戻りません。

 

なので「リウマチをいかに早期に発見するか「手足の変形など起きる前に、

治療を開始する事」が勝負所になってきています。

 

関節リウマチの症状の進み方

関節リウマチの初期症状は、関節の炎症に伴うこわばり腫れと痛み発熱

などです。

病気が進行すると関節の軟骨や骨が破壊され、関節の脱臼や変形などが

生じるようになります。

 

さらに関節破壊が進むと、日常生活や家事、仕事に支障が出て介助が必要

になるなど、生活をする上での機能障害が進行します。

 

関節リウマチの進行度は関節破壊と機能障害の程度から分類

 

ステージⅠ(初期)はX線検査で骨・軟骨の破壊がない状態、
ステージⅡ(中等期)は軟骨が薄くなり、関節の隙間が狭くなっているが

骨の破壊はない状態、


ステージⅢ(高度進行期)は骨・軟骨に破壊が生じた状態、


ステージⅣ(末期)は関節が破壊され、動かなくなってしまった状態です。

 

関節破壊の進行度(ステージ)

                                                   <イメージ図>Steinbrocker の病期分類より

また、関節破壊の進行に伴う日常生活の障害(機能障害の進行度)は、4段階

のクラスに分類されます。

 

クラスⅠ(ほぼ正常)は健康な方とほぼ同様に不自由なく生活や仕事ができる

状態


クラスⅡ(軽度障害)は多少の障害はあるが普通の生活ができる状態、


クラスⅢ(制限)は身の回りのことは何とかできるが、外出時などには介助が

必要な状態


クラスⅣ(不能)はほとんど寝たきりあるいは車椅子生活で、身の回りのことが

自分ではほとんどできない状態です。

 

関節破壊の進行度(クラス)

                                                             米国リウマチ学会の機能障害度分類より

関節破壊の進行度はX線検査を行わないと分かりませんが、機能障害の

程度は、患者さんご自身である程度判断することができます。

 

どんな人がかかりやすいのですか?

日本のリウマチ患者さんの数は、70万人とも100万人ともいわれ、毎年

約1万5000人が発症しています。

 

全人口からみた割合は0.5~1.0%で、この割合は海外でもほぼ同じ

されており、地域による大きな差はありません

 

年齢別にみると、30~50歳代で発症した人が多く 、男女比では

人口1000人あたり女性5.4人、男性1.1人と、女性に起こりやすい病気

でもあります。

 

何故女性に多いの

リウマチは、男女比1:4と女性に多い病気です。
これはリウマチだけに限られたことでなく、自己免疫疾患全般に当てはまります

 

なぜ女性に多くなるかについて、女性ホルモンとの関わりが考えられています。

女性ホルモンが直接病気を引き起こす原因とはなりませんが、女性ホルモン

自己抗体の働きや、免疫反応を促すサイトカインを活性化させやすい

考えられています。

 

女性ホルモンのうち、卵胞ホルモン(エストロゲン)乳腺刺激ホルモン

(プロラクチン)にこのような働きがあると考えられています。

 

実際、リウマチは、特に月経のある年代(30-50歳)で発症しやすい病気です。

エストロゲンは閉経すると分泌されなくなるため関連性が考えられます

また、リウマチは、産後授乳中に悪化することがよくあり、プロラクチン

の影響が考えられます。

 

女性がもつ妊娠・出産の機能も自己免疫反応とかかわりがある

考えられます。

 

妊娠中には、免疫の働きが抑えられます。

これは、男性の精子や胎児の細胞は、女性にとっては一種の異物

あり、これを非自己として排除しないように、免疫系の働きが抑えら

れます。

うー-ん・・・じっくり読むと・・・

 

一方、出産後には、この免疫抑制が解除されますが、それが急激に行わ

れると、反動で免疫の働きが一気に高まり、自己免疫反応の過剰が起き

やすく、自己免疫疾患を起こしやすいと考えられています。

難解な・・・悩ましい文章ですね笑い泣き

 

生活上の注意点

症状が強い時は安静、関節の保護が重要です。

症状が落ち着いたら、適度な運動やリハビリテーションを行い、筋力や

関節の動きを維持しましょう。

 

感染症には常に注意が必要です。喫煙や歯周病は、治療効果にも影響

するため、禁煙し、歯周病はしっかり治療しましょう。

 

まとめ

リウマチとリウマチ性多発筋痛症は、似た症状が多い事が分かった。

リウマチと思われる症状がでたら、早めにリウマチ科のある病院へGo!

 

・リウマチは、早期発見・早期治療が大切である。

 

・30代~50代の層がリウマチになりやすい。


・男性よりも女性のほうがリウマチになりやすい。


・タバコを吸う人はリウマチになりやすいと思われる。


最後まで読んでいただきありがとうございましたお願い

それではまたお会いしましょうねバイバイ

 

参考サイト

リウマチの症状とは|おしえてリウマチ|中外製薬株式会社 (chugai-ra.jp)

受診前の準備|おしえてリウマチ|中外製薬株式会社 (chugai-ra.jp)

なぜリウマチは女性に多いのか?|東京のリウマチ専門医|湯川リウマチ内科クリニック

 (yukawa-clinic.jp)

関節リウマチ(RA) | 一般社団法人 日本リウマチ学会 (ryumachi-jp.com)

疾患・薬剤について | 一般社団法人 日本リウマチ学会(JCR) (ryumachi-jp.com)

関節リウマチは、どんな病気ですか?|リウマチ情報ポータル|あゆみ製薬 (ayumi-pharma.com)

リウマチの早期発見について、教えてください。 | ブログ | さとう埼玉リウマチクリニック|埼玉県戸田市のリウマチ科・リウマチ専門医のクリニック (sato-naika.org)