その力の使い道 | 榊邦彦 OFFICIAL BLOG new

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けれど一方で、言葉や愛がまったく立ち向かうことのできない不安や困難も、
また、存在しないのではないか……僕は、今そう思っている。
『100万分の1の恋人』榊邦彦(新潮社)

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スマップの番組を見た。
 スマップは嫌いではないし、スマップの曲には心打たれるものも多いと思う。
 ただ、番組の作り方としては、疑問が多かった。
 特に、違和感があったのは、スマップ五人に一部屋でだらだらと話だけさせて、その間に視聴者に、
「この後、スマップに何が起こると面白いか」
 とアンケートを取る企画。
・机の脚が折れる。
・コーヒーポットから突然コーヒーがあふれる
・天井から大量のピンポン玉が降ってくる
・(四つ目は忘れた)
 の四択。
 デジタル放送の双方向システムのパワーは絶大で、僅か15分程度で、30万余りの投票があった。結果、「天井から大量のピンポン玉が降ってくる」が25万票程を集めて、一位になり、スマップの頭上から大量のピンポン玉が降り、笑いをとっていた。(数値は正確に覚えてはいませんが、まあ、だいたいこんなものだったかと。)
 企画自体の○○らしさは、まあさておき、アンケート結果が出たときの、アナウンサーの一言がなんとも。
「国民の総意は、『天井から大量のピンポン玉が降ってくる』となりました」
 ……うーん、そういうのって「国民の総意」っていうのか。
 少なくとも、僕は「総意」の一欠けらも成していないし。
 なにより、「国民の総意」って、もっと大切なときに使ってほしい言葉だと思うが。
 しかし、僅かな時間で、30万票を集める力はすごいとは思う。
 この力って、例えば、
「秘密保護法案の是非」とか、「集団的自衛権の是非」とか、そういうことには使えないのだろうか。
 結果はともかく。僕の立場もともかく。
 街角アンケートで、シール貼るより、エキサイティングではないかいな。
 でも、そういう企画は、何か、問題があるのかな。
 15分で30万票を集まる巨大パワー……ピンポン玉集めてないで、しっかりと使ってくれよ、おい。
 って思う一方で、もしかしたら、やっぱりくだらないことにだけ使う方がいいのかなとも、不意に思ったりする。