今までの人生で出会ったすごい奴の話の続き。
この間は、「最初に出会ったすごい奴」の話でしたが、今回は、「一番最近出会ったすごい人(「奴」とは言いにくいので……)」の話です。
その人は、理系の研究者なのですが、紹介するのは、若い頃の海外での学会での話です。
今でこそ、英語も堪能な人ですが、駆け出しの研究者の頃は、英語も苦手で、特にリスニングがからっきしダメだったとのこと。そんなわけで、海外での学会では、発表者の講演内容が、よく聞き取れずに、困っていたそうです。
そこで、彼が考えた学会での取り組み方。
①発表者の過去の論文を徹底的に読み込む。(リスニングはダメでも、読むのは得意)
②学会での発表にむけて、質問を準備する。
③発表が終わったら、必ず一番に挙手、最初に指名してもらい、質問する。
肝心なのは、とにかく、一番目に指名してもらわなければダメだということ。
なにせ、リスニングがダメだから、もしも、指名されそこなったら、前の質問者の発言内容が聞き取れない。もしかしたら、自分の用意していた質問と同じかもしれない。聞き取れないから、同じかどうかもよく分からない。
しかし、一番目に指名されたなら、その心配は無用。拙い英語でも堂々と質問できる。
ということで、海外の学会のたびに、いつも一番目に指名されるように、手を挙げつづけたのだということです。
そんなことの積み重ねで、彼は世界でも有数の大学の教授、その分野の世界的権威にまで、上り詰めていくことになります。