突然、長男がパソコンの前で、
「もう、駄目だあ。頭が疲れた~」
と叫んだ。
確かに、何時間も連続でパソコンに向かっていたが、ふと、「頭が疲れる」ということはあるのかなと疑問に思って、
「頭は疲れないだろ。身体が疲れて、その結果、頭が疲れたように感じるんじゃないか。脳細胞は疲れないよ」
と、声をかけた。
しかし長男は、「いや、絶対、頭は疲れる」と言い張る。
「そうかなあ」と、疑問を繰り返す僕に、長男一言。
「だって、考え続けると、頭の中で音がする」
「え?」
話を聞いていた妻さんも二男も、「えっ」「えっ」と驚きの声。
二男:「兄貴、どんな音するんだ?」
長男:「プシューって」
僕・妻さん・二男:「? ! ……」
おいおい、まるで、風船が抜けるときの音のようだな。
本当に、お前にはそんな音が聞こえるのか?
長男:「限界を超えると、プシューって、音するでしょ」
まるで、みんながそうであるかのように、普通に言う長男……。
……
僕は、まだまだ頑張りが足りないのだろうか。一度も「プシュー」は訪れないのだが。
聴いてみたいような、聴きたくないような。