夕方、突然の土砂降りと雷。
買い物から、ちょうどマンションの自室に戻ったときだった。
しばらく、台風のような雨風と、激しい雷が続く。
30分ほどして、風が少し収まる。それでも雨はかなりの勢いで続いている。雷も止まない。
それなのに、西の空を眺めると鮮やかな橙色に染まっていた。
きれいなというか不気味なほどの夕焼けだ。
しばらく西の空を見たあと、東の空を見返した。
今度は、曇り空の中に、きれいに半円の虹が架かっているのが目に映る。
マンションの上階から眺める虹は、地平線から地平線まで、完璧に180度の弧を描いている。
「半円の虹は生れてはじめて見るなあ」と思って見とれていたら、さらに驚いた。
半円の虹の外周にうっすらと、もう一重の虹が見える。
生まれて初めての180度の虹どころか、二重の半円を描いている虹だった。
しかも雨はまだ降り続けているし、ときおり虹の背景には、稲光が走る。
振り向けば、西の空は、鮮やかな橙の夕焼け。
なんとも不思議な光景だった。