昨日開催の【研師 本阿彌毅と小野敬博の刀剣講座】。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございましたニコ


研師とは?というお話から始まりました。修行は10年。全国で研師(資格はいらないので自称)は100名いないかな…。刀匠やお客様からの依頼の他に文化財としての刀の保存、修復も大切な仕事。刀を研ぎ減らさないよう(刀に負担をかけないよう)悪いところだけを修復する。「どこを直したの?」と言われるのが一番の誉め言葉。部分修復は研師だけではできない場合も多く鞘師や白銀師とチームで当たる。(毎年、新作刀展の展示替え休館中に部分修復の研修会が行われています。)


小野敬博さんによる砥石の解説。

砥石の種類と研ぎの刀身見本

粗いものから細かいものまで何種類もの砥石を使う。刀によってあたりが違うので、それぞれ10本くらい用意しておき合うものを探す。砥石の目利きも大切。水で濡らし色で判断するのだが、やはり自分の目でちゃんと確かめないといけない。
弟子は肉置き(備水砥)からやらせてもらう。いきなり粗い金剛砥では刀をダメにしてしまう。減ってしまったものは戻せない。(と言うことは研ぎの出来は最初の工程で決まるかお)


地艶と刃艶(吉野紙に漆を塗り裏打ちしたもの)。研最終工程 切先の仕上げに使うナルメ台。

研師の構え。慣れるまでが大変。(鞘師の職方さんもそうですが、皆さん体が柔らかいと思います。足痺れそう…)  研磨に集中していてよだれが出ていても気付かないのは研師あるあるだそうです。怪我していても気付かないこともあるとか汗 ダメな刀ほど怪我をしやすいそうです。「名刀は研ぎやすい」(研師語録)


研磨工程のパネル


本阿彌毅さんによる刃取り実演

刃艶でクルクルと。

白くきれいに浮かび上がりました✨
メイクアップ完了ですまるちゃん風

いくつも質問が出され、終始和やかな雰囲気の講座でした。
最後の質問は『一番印象に残っている刀は?』しばらく考えた後、本阿彌さんは『コンクールへ初出品し初受賞した刀』と。小野さんは『初めて研いだお客様の刀。大変喜んでいただいたので』というお答えでしたニコ

実は本阿彌さん、小野さんの他に、お二人職方さんが応援に来られてました。お一人は後ろ姿がもうお一人はお顔が写ってますが分かるかな…。分かった方は展示館通、職方通ですねかお2

8/24(金)~26(日)の刀職者実技研修会には職方さんが勢揃いします。
お楽しみにキラキラ


終了後、『質問があってよかった。』とお二人がおっしゃってました。質問をきっかけに話が広がりますもんねかお2 (こんなこと聞いていいかな…)なんて気にせず聞いちゃいましょうね。