「もっちゃんとノリくん」~イチローと回転寿司~ その⑦ | 占星術小説家@酒井日香の占い死ね死ねブログ
【全12話完結】



(その⑥から続き)



男A「もうちょっと

   わかるように言ってよ」




男B「つまりだな……。人間にとって、

   自分の周囲のニュースとか、

   お話なんてぇのは、ももたろうとか、

   浦島太郎と同じことなんだよ」





男A「単なるお話にすぎないってこと?」





男B「そうだ」





男A「でも、イチローは回転ずしなんかで

   働かないよ。イチローは店長にだって

   叱られないし、高校生バイトにだって

   笑われないよ」





男B「いいやもっちゃん。イチローだって

   回転ずしで働くんだよ!!」





男A「え……?」





※注)もっちゃん、ようやく涙顔を

   上げてノリくんを見る。





男B「う……、うそだ……。イチローが

   時給830円の回転ずしなんかで

   働くもんか」





男A「うーん、そこを信じられるように

   なれれば、もっちゃんの

  “俺はダメ人間だコンプレックス”も、

   ちょっとは回復するのかなぁ~」





男B「そうだよ。ノリくんがヘボい

   回答をしたら、俺の人生は

   終わっちゃうんだ。見事に

   信じさせてくれよ、俺とイチローが

   同じだってことを」





男A「うーん……」





※注)ノリくん、腕組みして熟考中……。





男B「あ!!」





※注)何かを思いついたらしいノリくん。





男B「そうだ!! イチローだって

   寿司屋で働くんだやっぱり!!」



(その⑧へ続く)


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