占い肯定に用いられるユング心理学について。 その② | 占星術小説家@酒井日香の占い死ね死ねブログ

(その①から続き)



実はユングは、星の影響力を見つけた
のではなくて、被験者が「かくあるべし」
と思うようなイメージに近いホロスコープを、
なぜか引いてしまうのだという
ことを見つけたのですね。。。




これをユングは




「共時性(シンクロ二シティ)」


と名付けました。





あることを心に思う。



すると、その瞬間とか、しばらくしてからか、
心に思ったことを象徴するような事件が起こる。



それが共時性です。



占いはすべて、「思い」「現実」を引き寄せ、
「思い」に沿ったようなものにしか「現実」
見られなくなってしまうと言う、その単純な事実
を示すにすぎないものだったわけです。



ここからユングは、物理学者で友達の
ウォルフガング・パウリとともに、「こころ」
時空間の関係に目を向け始めて行く。



アインシュタインとも論争になります。



アインシュタインは、一般相対論から



「時空間とは連続的でなめらかな流れだ。
神はサイコロを振らないのだ」




と、ユングの共時性理論をボコボコに否定
するわけですが、実はこれ、今では



「ユングの説は一理あるかもしれない」



ということになり、アインシュタインの一般相対論
には、アインシュタイン自身が苦肉の策として
方程式に書きいれた



「宇宙項」



が付け足される時代になってきています。




今日の量子論の世界では、ある種の素粒子が
ものすごく距離を隔てた場所で、同じ時間に
存在していることが実験結果としてわかって
きているのです。




また、素粒子そのものにメモリーを書き込んで、
素粒子に記憶を持たせる実験というのも、ある程度
成功して実用化が見えてきています。





これって、何かに似ていませんか???




そうです! 




実は、現代の量子論の世界というのは、
幽霊にそっくりなのですよ!!





だから、ユングの


「共時性」




というのは、すごい先進的な仮説だったわけです。




いずれ量子論で、ユングの共時性を
説明できる時代が来るかもしれません。




そのとき、果たして、従来のような星占いなど
成り立つのでしょうか。



だって、星占いなどは所詮、目に見える範囲の
ことしか扱っていないのです!!




今の宇宙論から見たら、占星術などまるで
ゴミみたいなものです。



「わたし」




という存在を考えるとき、138億光年以上の広大な
広がりの宇宙で読み解くのと、見える範囲の12星座
でしか人生を眺められないのと、どちらが



「自分が生きている不思議さ」



を記述できるでしょうか?




宇宙論から人生を眺めるほうが、よっぽど壮大な
不思議によって生まれてきている自分を
自覚できるのでは。。。



もう、星占いなどは、はっきりいって保育園児の
おままごとでしかないんですよ。。。




タロットカードなんかもそうですよね。



ああやって、カードめくりをしたところで、
心の罠にハマるだけだし、あんなもので人生が
読み解けるのだとしたら、人生とはあまりに
せせこましくて、ちっぽけで、窮屈なものになって
しまいます。



仏教ではむしろ、12星座の星や惑星を



「超越しなさい」


と説いている。




12星座なんかに自分をフォーカスさせるのでは
なくて、138億光年以上のとてつもない宇宙全体
に心をフォーカスさせなさいと説く。



そういう意識になれたとき、人は初めて、自分が
なんというとんでもないダルマ(真理)によって
この世に生まれてきたのだろうかと、心から圧倒
されることになるわけです。



そしてそこから、人生の本当の意味が見えてくるし、
いかに生きるべきかという答えも見えてくる。




各種占いは保育園児レベルの



「霊の知育おもちゃ」



だと、私は何度も申し上げていて、知育おもちゃが
窮屈になってくれば、人は次第に本当の宗教学に
眼が向くようになります。





正直言って、占いの知育おもちゃで遊んでいて
よいのは遅くても20代までです。


それ以上の年になってもまだ、知育おもちゃで遊んで
いることは、大変な精神的停滞です。




私が、占い師なんて職業にしてはイケマセン!!
と、口をすっぱくして言っているのは、占い師
なんてやっていると、一生知育おもちゃとおしゃぶり
から卒業できないまま死ぬことになって、とんでもない
生命の報いを受けることになりますよ、という警告の
意味もあるんです。




40代で気づくより、30代で気づいたほうがいい。



30代で気づくより、20代で気づいたほうがいい。




占いは早く卒業しましょう。



いったい何歳まであんたがたは、知育おもちゃで
遊んでいるつもりなのですか。



最後に、ユングが残したという晩年の手記を
みなさんにお教えして、この記事を終わりに
したいと思います。




「人生の半ばを過ぎると、生とともに死ねる人間だけが
はつらつとした人生を送れる。なぜなら、人生の真昼に
潜む秘密の時間に放物線が向きを変え、死が生まれるのだ。

人生の後半を象徴するのは上昇、進展、増大、繁栄では
なく、死である。終わりが目標なのだから。

充実した人生を送ろうとしないのは、終わりを受け入れ
ようとしないのと同じことである。どちらも生きようと
しないのだ。生きようとしないことは、死のうとしない
ことである」


カール・ギュスタフ・ユング(1875~1961)






↑ どうですか。胸に迫るユングの
最晩年の言葉です。




私が表現者の若者に対して、いつも、



「結果なんか気にせず、突っ走りなさい」


と、叱咤激励しているのは、全力で生きること
こそ死を受け入れることであるからです。



私が



「失敗なんか恐れず、本当に小説が描きたい!!」




と思ったのも、全力で社会と戦うことこそ、
生きている充実感に他ならないからです。


占いは、そんな充実感など与えてくれません。


失敗を恐れ、全部他人のせいにして、自分をカワイソウ
に思っても、それは全力で生き切ることにはならない
のです。


何もかも、恥も外聞も地位も名誉もかなぐり捨てて、
自分の道を孤独に突き進んだときこそ、死と生は
始めて一致する。


ユングはそう言いたかったのです。




精神分析が最終的に、自己憐憫を引き起こし、
人生を生き切る充実感とは真逆の作用を引き起こす
ことは、今ではすっかり常識になってることも、
最後に付け加えておきましょうかね。。。




ではでは、長文失礼いたしました。



最後までお読みくださいまして、
ありがとうございます。




酒井日香 拝