【個人山行】黒法師岳
黒法師岳へ登り 体がすっぽり入る背丈もところどころあるが道は明瞭
日付:12月26、27日
参加者:桐林
ルート:水窪ダム-麻布山-前黒法師山-バラ谷の頭-黒法師岳(往復)
浜松市にも雪が舞い降りた。
浜松市天竜区水窪に降雪ニュースが出た。南アルプス深南部に様子を見に行った。
1年前に水窪ダムより日帰りで黒法師岳を登っている。
11時間強だった。帰りも標高を稼がなければならないルートでうんざりする。だが、それが実感させてくれる。
今年浜松市の国道152は土砂崩れとトンネルヒビで通行止めになり、対岸の市道が迂回路となった。
その迂回路がまた土砂崩れになり、その1日前に同時刻域に通行していたことに戦慄が走った。
ようやく正月前に通行止め区間が一部開通し、水窪方面へ抜けやすくった。国交相の視察があったおかげか?
水窪ダムより昔は通れたスーパー林道を歩き、麻布山西南に伸びる尾根より登り上げる。
国土地理院では表現されていないが、きこりハイウェイが走る。
下りの下部は迷いやすく、上部は傾斜がキツく滑りやすい。
雪は上部より所々付いている。
麻布山より、きっと雪を見たさに来た単独者の往復フットプリントを追う。
戸中山、前黒法師山と続き、標高を200mほど下げ、バラ谷の頭目がけ500m標高を上げる。
今年の春、めんどくさくてアイゼンを置いてきたせいでこの登り1800m付近のアイスバーンで登れなかった苦い経験がある。
今回は雪が15cmほどの積雪で、溶けずにそのままだった。
右から黒法師岳-丸盆岳-不動岳
左から黒沢山-三俣山-中ノ尾根山
13時、バラ谷の頭に到着。
目の前には、浜松市境界を構成する深南部の連なり。
雪がついていない富士山も見えた。
黒法師岳に積雪がないように見えたが、薮の下に溶けずに残っていた。
誰かが除草剤を撒いたのか、薮を手すりに滑る斜面を登る。
バラ谷の頭付近で野営をした。
毎度のことながら眠れぬ夜を過ごした。
22時ごろ、4足歩行の薮をかき分ける音に心臓バクバク。
指笛を吹けば、鹿であればキャッキャ鳴くはずが、堂々とその後も歩いていったあの足音は何だったのか。
星野道夫の「クマがここのフィールドにいることで、そのままの自然に想いを馳せることができるだろう」というような意味の文章を読んだことがあるが、とてもじゃないが寝れない。
静寂の24時付近。風がなくなり無音の世界になっていた。いつの間にか30分ぐらい意識が飛んでいた。
光る時計の針を何度見たことか。
朝、硬くなった体を起こし、ご飯を食べ、また少し横になった。
日が差してからと自分に言い聞かせ、目を瞑った。
その後、オハヨウ替わりにキャッキャ言われた。
ビクつく、またも人と会わない山行だった。

