耳原総合病院をはじめとする社会医療法人同仁会について その1
耳原総合病院をはじめとする社会医療法人同仁会は、大阪府堺市で長年にわたり「無差別・平等の医療と福祉の実現」を掲げ、地域医療の最後の砦として非常に高い志と独自の理念を持って活動している。
1. 「いのちは平等」を貫く無差別・平等の医療
耳原総合病院の最大の社会的な使命であり、高い志の象徴が「経済的な理由で医療を受けられない人を作らない」という姿勢。
- 無料低額診療事業の実施: 経済的な困難を抱える患者さんに対して、医療費の減免を行う「無料低額診療」を積極的に行っている。
- 差額ベッド代(個室料)の不徴収: 多くの病院では個室や少人数部屋に入る際に「差額ベッド代」を徴収するが、耳原総合病院では「患者さんの病状によって部屋を決めるべきであり、経済力で差をつけるべきではない」という理念のもと、差額ベッド代を一切受け取っていない。
2. 「救急を断らない」地域医療の最後の砦
1953年の開院(耳原診療所)以来、常に地域の困窮している人々の声に耳を傾け、発展してきました。現在の総合病院となってからも、地域の救急医療を支えるため、「いつでも、どこでも、誰もが安心してかかれる医療」を実践し、24時間355日、命の危機に瀕した患者さんを広く受け入れている。
3. HPH(健康増進活動拠点病院)としての活動
病気を治すだけでなく、「病気にならない地域づくり」や「病気の背景にある貧困や社会的孤立を解決する」という、一歩踏み込んだ医療を目指す総合病院。WHO(世界保健機関)が推奨する「HPH(Health Promoting Hospitals)」のネットワークに加盟し、患者や地域住民の生活習慣の改善、健康格差の是正に組織全体で取り組んでいる。
4. 地域に根ざした共同組織との歩み
医療従事者だけでなく、地域住民や「友の会」といった共同組織と手を取り合い、文字通り「地域みんなでつくり、支え合ってきた病院」。住民の健康診断の普及活動や、地域の見守り活動など、病院の壁を越えたつながりを大切にしている総合病院。
理念の原点
「医療は国民の権利であり、国や自治体の責任で保障されるべき。それまでの間、私たちは目の前の命を絶対に医療から見捨てない」という、社会保障の充実を目指す強い社会的意識が、その「高い志」の源。
堺の地で、どんな立場の人であっても、人権を尊重され、最善の医療を受けられるように闘い、実践し続けている点が、耳原総合病院が地域内外から深く信頼され、高く評価されている理由。
一方で、
社会医療法人は公益性が非常に高い医療機関として認められているため、国税・地方税における手厚い優遇措置や、自治体との連携による行政的な支援を受けることが可能。耳原総合病院をはじめとする社会医療法人同仁会の税制優遇とその社会的責任とは、
1. 税制上の優遇措置(国・地方)
●社会医療法人に認定される最大の利点は、税負担が大幅に軽減される点。
法人税の非課税:医療保健業(本来業務)から生じる所得については法人税が非課税。
●固定資産税・不動産取得税の非課税:救急医療やへき地医療など、一定の公益的な事業の用に供する不動産については、固定資産税や不動産取得税が非課税(または軽減)の対象となる場合がある。
●収益事業の課税軽減:本来業務以外に収益事業を行うことも認められており、その利益を本来業務に充てることで、経営の安定を図ることができる。
2. 自治体からの支援・土地活用など
直接的な「補助金」という形だけでなく、地域医療を支える重要なパートナーとして、自治体から様々な形での支援を受けることがある。
●土地・建物の活用:自治体が所有する土地や建物を、社会医療法人に貸与・譲渡する際、公益性の観点から優遇的な条件(長期の貸与や適正な対価での貸借など)で契約が結ばれるケースがある。これは「地域医療の提供」という公共的な目的を達成するための行政施策の一環。
●行政との連携:救急医療の受け入れや災害時の医療拠点としての役割を果たすことで、行政からの優先的な委託や、補助事業の対象となりやすくなるというメリットがある。
●社会医療法人債の発行:一般の医療法人とは異なり、資金調達の手段として「社会医療法人債」を発行することができる。これにより、市場から比較的安定した資金を調達することが可能。これは同仁会においては未確認。
このように、耳原総合病院のような中核病院がこれらの恩恵を受けられる背景には、単なる利益追求ではなく、「救急医療、へき地医療、災害医療、分娩を伴う産婦人科診療」といった、採算をとることが難しい公益的な医療を安定的に継続しているという社会的責任があるからといえる。
