④柏崎刈羽原発の見学 | 堺市の交通まちづくりを考える会

④柏崎刈羽原発の見学

【2024年6月14日追記質問】

 

 柏崎刈羽原発の見学を前に、実は何も勉強をしていない。とりあえずネットを漁ってみたら、早速に最近の不祥事が画面に表示された。色んな意味で心配になってきた。

 

 3〜4年前に起こったこれらにそれぞれの不祥事に対して、その原因と対策が東京電力のホームページに記載されていた。なんだか仰々しく、堅苦しくて、大層な対策を行なったように表現されている。

 要約すると以下の通り。

①社員同士でIDカードの不正使用を行ない、気がついた周りも注意しなかった(2020年9月20日)

②核物質防護設備のおそらく防犯カメラが故障しても修理交換しなかったので、不正侵入の可能性があった。《重く見た原子力規制委員会は組織的な管理機能の低下を理由に、核燃料物質の移動を禁じる命令を出した(2021年4月14日)事実上の運転停止命令》。

③再稼働予定の7号機の安全対策工事が完了を発表した(2021年1月12日)が、2週間後にその工事が未完了だったことがバレた。総点検をしたら更に数か所の工事未完了が見つかった。

 

 要するに東京電力は当たり前のことができない会社だということだ。しかもそこが放射性物質を取り扱う現場で、国から直々に放射性物質を扱うに値しないと烙印を押されたということのようだ。

 

 ①は組織的な重圧が原因となった福知山線脱線事故を、②は人の慣れが原因となった1999年9月30日東海村核燃料加工施設の臨界事故を思い出す。③は1980年代後半から福島第1・第2、新潟の柏崎刈羽の原発13基で、東京電力が自主点検記録に虚偽記載した事件を思い出した。一連の不祥事は企業と業界の根深い体質と言える。所長の首をすげ替えるくらいで是正改善されるものでもないだろう。

 

 とはいっても無策ではいられない東京電力は、事件から1年後の2021年10月1日、柏崎刈羽原子力発電所と企業イメージの改善を目的に稲垣氏を同所長に就任させた。これを受けて同発電所の概要に以下の所長の挨拶を加えた。柏崎刈羽原子力発電所所長ともなると就任挨拶は日経で取り上げられるんだ。

 

 

【所長あいさつ】

 柏崎刈羽原子力発電所長の稲垣武之(いながき たけゆき)です。

 はじめに、柏崎刈羽原子力発電所における一連の不適切事案により、地域の皆さま、社会の皆さまにご不安、ご不信を抱かせておりますこと、改めてお詫び申し上げます。

 一連の不適切事案発生を受けて、私自身が積極的に現場へ足を運んだり、所員との対話を重ねる中で課題を抽出し、発電所長として先頭に立って改善措置活動や安全対策工事の総点検を行っているところです。

 今後もより一層、現場に行く時間や対話の時間を増やし、現場の声を踏まえた改善を進めることで、発電所が適切にパフォーマンスを発揮できる状態を目指し、所員や協力企業の皆さまと一緒に取り組んでまいります。

 さらに、所員とともに地域活動に参加させていただく場などを通じて地域のお声に直接向き合い、発電所の運営に活かしてまいります。

 地域の皆さまにご安心、ご信頼いただけるよう、引き続き改革を進め、生まれ変わった姿を行動と実績でお示しし、やり遂げてまいります。

常務執行役 柏崎刈羽原子力発電所長 兼 原子力改革担当
稲垣 武之

 

 この挨拶文の決意を読み解くと、前の所長が全て悪かったと言いたげだ。こんな会社が過日の4月に行われた再稼働説明会を乗り切れたのか疑問だ。

 

 

東京電力に質問 当事者の社員はじめ前所長の処罰や現在の処遇はどうなのか?

 

その⑤に続く