⑦台湾花蓮に行ってみることにした 「台湾の街は合理的だった」 | 堺市の交通まちづくりを考える会

⑦台湾花蓮に行ってみることにした 「台湾の街は合理的だった」

 2024年5月6日〜8日の日程で、台湾花蓮での地震被害と支援について調査することにした。その前に1999年9月21日に台湾で起こった921大地震について調べる必要があると考え、台湾西部に位置する台中の921地震教育園区にも訪問した。

 

↑(上)昼間はレンタサイクルをちらほら見かける。堺市よりも明らかに利用が多い。また堺市のように観光客の利用を目的にしたものではなく、現地のタウンユースであることはICカード精算からも想像がつく。(下)ICカード精算で利用できるレンタサイクルスタンド。発着は別スタンドでも可能。

 

↑(左上)大きな交差点には監視カメラが設置される。(右上)台中市警察の治安監視目的と記載されている。(左下)台中市内の道路脇に多く見られる駐車枠。パーキングメーターはなく、担当者が巡回する人力メーター。(右下)支払い用紙。この用紙を持って期限までにコンビニで支払いできる。詳しい利用方法はこちら。市中にはコインパーキングがあるものの、路上駐車枠への駐車が安価なようだ。そもそも台湾での主要都市では市民の車両利用を減らすための施策として2015年12月から路上駐車が有料化されたが、日本の車庫法に相当する法律はない。

 

↑整備が整わない点字ブロック(左)台鉄台中駅1階の点字ブロックは大きな公共施設でたまに見かける程度。(右)稀に市中歩道に設置される点字ブロック。

 

↑(上)旧台中駅は旧東京駅と同じ建築様式のようで目玉の観光資源。左奥の現台鉄台中駅とのコントラストに歴史を感じる。(左下)旧車両を目の前に学生に歴史教育中だった。(中央下)旧車両はカフェとしてイノベーション。(右下)パネルでは東急車輛であることなど歴史資料パネルが設置されている。

 

↑(左中)台北101は全面ガラス張りの近代的建築ながら、輪郭は伝統的な宝塔と竹の節がイメージされている。(上)(左下)台中の市街地に広大な公園や整備された川が点在する。太極拳など市民の憩いの場で観光地にもなっている。堺市にも環濠クルーズ船による観光NPOがあるが、堺市が積極的に推進すればいい。(中央)台中にある戦前の宮原眼科医院をリノベーションした観光客で賑わうデザート店、その名も「宮原眼科」。(右中)台中で最大の「逢甲夜市」では管理組合の指導のもとに屋台の出っ張り限度が白線で示されており、どの屋台も厳守している。(右下)堺市の山之口商店街の様子。組合長の線香屋が魚と果物、家具と鍼灸を管理しないのか聞かないのか、道路の4割の独占具合に唖然。

 

↑(左上)台中「逢甲夜市」の始まる18時前にはすでに管理組合が交通規制した。が、バイクは走り回っていた(笑。(右下)スクーターの床に犬猫鳥などを座らせる光景をよく見かけた。おおらかな台湾という印象。(右上)大半の屋台は店先で電子決済ができる。古くからの市場などを除いて、台湾都市部では電子決済が可能になった。5年前に比して大幅に決済可能店舗数が増えた印象。(左下)飲みカス食べカスが散らばる台湾道路の汚さは世界標準だが、上述白線の項の画像の通り夜市は清掃が行き届いている。管理組合の指導のもとで出店者へのルールとして敷地の厳守以外に清掃を義務付けることによりきれいな観光夜市としてお客の増加を図っている。また一つのアイデアとして飲食には包み紙の他に小さな手提げビニール袋が必ず付属する。これによってゴミ袋として利用でき、ゴミ箱の多数設置と相まってきれいな観光夜市をアピールしている。

 

↑(左)(右上)台湾の典型的な市中建物は1階部分が通路になっていて、たくさんの商店街が軒を並べる。日陰を作ることでアーケード商店街のような構造になっているのは、暑い台湾の日差しを避けるための工夫。その結果、柱だけで建物を支える弱い構造角地は2面がこの柱だけ構造なので極めて弱い。(右下)裏通りは敷地いっぱいに建物の柱と壁が一体化する強い構造。

 

↑旧建物は煉瓦造りで、やはり日陰を作るために表通りに面した壁は通路になっていたと想像できる。(青枠)旧煉瓦造りに上物を乗せた構造で、通路は健在。(緑枠)台中地震の後、新建築基準法に基づいて建設された最近の建物は通路とは別に柱と壁で建物を支える構造となっていた。

↑建物の内部から。ここ建物は旧宮原眼科をイノベーションして高級お菓子屋に生まれ変わった。

 

↑(左)夕方の小学校前横断歩道には交通安全見守り活動が行われるのは日本と同様。(右上)裏路路地には建物間に映えるフォトジェニックスポットも!日本だとすぐに撤去されるんだろう、おおらかな台湾。(右中)台中市街地には戦時中のレンガ建物が多く残る。これはお菓子屋さん。(右下)狭い裏路地にも歩道線が設定される。文字とピクトグラム入りの面で表示。日本では白線1本だけ。ピクトグラムといえば、堺市長のお得意分野だから市長考案のピクトグラム歩道表示を導入してはどうか?大小路の自動運転バスとは違い、これこそ先進的で「人が回遊するまちづくり」と言えよう。

 

 

↑(左上)台中はマンションラッシュらしい。市営住宅ですらこの豪華さ!(右上)ちょっとした公園に煙突らしき部品が散乱?工事中とはいえ、公園に仮置きする台湾のおおらかさか?(左下)煉瓦造りの歩道だが、至る所で隆起している。街路樹が根を張ることが原因。堺の市議会議員なら役所に補修依頼通報したことをX Twitterやブログで自慢げに公開するネタだ。これに限らず台湾の道はゴミだらけで路面の痛んでいるところが多い。(右下)電気自動車のナンバープレートはその旨が表示されている。いっときの台湾は原発推進であったが、福島原発爆発事故を機会に声を上げた国民のおかげで自然エネルギー推進に大きく舵を切った。モールの天井全てにソーラーパネルが設置されていたり、電気バスが走り回ったりと、あれもこれもの日本とは大きく違う印象。

 

↑(左上)ファミリーマートの店内には広いスペースで飲食できる。(右上)同じく店外には歩道までの軒下スペースにテーブルなどがあって飲食ができる。(右中)別店のファミリーマートにも店内と店外に飲食スペースがある。歩道ではない台湾独特の軒下スペース(下)当該ファミリーマートの昼間。ビルの1階がセットバックして柱だけになっている台湾独特の軒下スペースであることがわかる。角店なので2面が柱だけ構造で地震に弱い。(左中)Suica的な交通系ICカード(悠々カード)で利用するレンタサイクルがあちこちにある。夜間の利用は少なめか?