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②トロリーバスではだめですか?
その1記事でも記した通り、2022年11月に堺市がおこなった自動運転技術の実装実験のバス停に正しく発着できるのかを確かめる実験「正着実験」にて、まさかのバス停に衝突。
2023年11月10日に行われた第2回SMI都心ライン等推進協議会でも「正着をめざすならば、バスベイ型よりも張り出し型を検討したほうがよい。」などと、堺市は自動運転における停留所への正着にこだわっている。また自動運転のほうが人間の運転に比して正確に正着できるのだという資料を提示していた。
そこで2023年10月9日、電気バス(BEV)の視察一環として、黒部ダムや立山をつなぐ「立山トンネルトロリーバス」を体験した。室堂駅と大観峰駅を結ぶ「立山トンネルトロリーバス」は、現在日本に唯一残るトロリーバス。「バス」と呼ばれるがが、正式名称は「無軌条電車」。電力で走りながら一般道を走ることはなく電車線のあるところしか走らないため、法律上も「電車」に分類されているユニークな乗り物。
立山トロリーバスは運転手が運転するが、3台とも綺麗に正着できていることがわかる。その中でも先頭の1台は数センチまで寄せきっていた(画像がなくて(_ _;)
停留所の形状にもよるのだろうが、運転手が下手くそで自動運転が上手だという堺市の主張はどうも的はずれな気がしてならない。現に堺市の実験では停留所に衝突したし、立山トロリーバスでは数センチまで寄せた正着を人間がしているのだから。ましてや駐車車両や物販荷さばきの車両が往来する大小路筋で自動運転バスが定時性を堅持して安全運行できるのか疑問。
もしや大小路筋を公共交通機関だけの通行にするつもりなのか?
ちなみに扇沢駅・黒部ダム駅間を結ぶ関電トンネルでは、2019年トロリーバス老朽化に伴い電気バスへと代替されました。立山町の室堂駅と大観峰駅を結ぶ立山トンネルでも2026年に電気バスへと代替される予定。
↑扇沢駅そばの博物館に保存されるトロリーバス
トロリーバスは、架線からの電気で走るバスで、路面電車より整備費が安いことなどから、戦後、東京や大阪などの都市部で公営車両が相次いで導入された。マイカーの普及や地下鉄網の整備に伴い、1972年に横浜市で廃業したのを最後に都市部では見られなくなった。
【追記】
扇沢駅そばの博物館の職員の方からトロリーバスのお話を伺っていた最後に、「この博物館はもちろん、関西電力の黒部ダムや関電バス扇沢駅の電気は北陸電力から供給される。」と。
黒部第4ダムは関西電力の所有であるが、立地は北陸電力管内。当時、原発がなかったが大きな電力を得るためには越境することは、都市部の電力は地方から賄うといった現在の原発と同じ構図。お金で何でもできると考えているんだな。