絵本専門士2人のユニット、sakaguraです。

働く大人にもぜひ絵本を届けたいと願い、活動をしています。

 

「絵本専門士リレートーク」では、 個性豊かな絵本専門士のみなさんが、私たちからの「4つの質問」に答えてくれます音譜

今回登場してくださるのは5期の小屋美香さん。

保育者を養成する短大で先生をされています。幼児教育研究所の所長でもいらっしゃる小屋先生。

絵本とどのように向き合ってこられたのかお話を伺うのが楽しみですラブ

 

1:プロフィール

 

はじめまして。絵本専門士5期の小屋美香です。

若かりし頃は後先考えずに行動できる(してしまう)タイプだったので、留学しようと単身アメリカへ。そこで様々な価値観を持つ人たちに出会ったことがきっかけで、乳幼児期の子育てや保育・教育、環境に関心を持つようになりました。

たくさん回り道をしてきて、現在は群馬県内の短大で保育者養成に携わっています。子どもが大好きで優しい学生たちばかりなので、私も仕事を続けることができています。

 

現職:育英短期大学保育学科教授・育英短期大学幼児教育研究所所長

 

ゼミの学生たちと、きくちちきさんの『おひさま わらった』の原画展を見に行きました。時々、原画展の設営などのお手伝いもさせていただいています。

 

2:4つの質問

 

① なぜ絵本専門士になろうと思ったのですか?

子どもの頃に親が買ってくれた絵本、アメリカや日本の子どもたちと一緒に読みあった絵本、寝る前に我が子と楽しんだ絵本、保育者を目指す学生たちに紹介してきた絵本・・・、気づけばいつも私の傍らには絵本があり、1冊1冊にその時の大切な思い出が詰まっている気がします。

今でも、本屋さんで気に入った絵本を選ぶことが楽しみの一つです。私にとって「好きなこと」や「気になること」は学びの原点。絵本についてもっと深く知りたい、という思いで講座にエントリーしました。

 

② 現在、どのような活動やお仕事をされていますか?

絵本専門士養成講座(5期)を受講し始めてすぐに認定絵本士養成講座のことを知りました。せっかくならば勤務校でも開設したいと思い、講座責任者として手続きを進め、昨年から講座を開講しています。

絵本専門士養成講座でお世話になった講師の先生や絵本専門士仲間にもゲストスピーカーとして登壇していただいているので、その繋がりに感謝するとともに、私も学生と一緒に話を聞くことができて大変充実した時間となっています。

 

認定絵本士養成講座の一コマ。『はりねずみくんのあかいマフラー』の作者はらだよしこ先生が色鉛筆で色を塗る様子を見せてくださいました。

 

今はコロナ禍で制約もありますが、学内に親子を招いて「おはなしとあそびの広場」を開催したり、子ども食堂への「出張おはなし会」なども行ってきたりしました。小学校での読み聞かせボランティアは10年以上続けています。あとは保育者や保護者、図書ボランティアさん対象の絵本講座なども担当させていただいています。

 

コロナ流行前に開催した「絵本でスマイル・プロジェクト」(子どもゆめ基金助成)

 

高崎市の公民館主催「孫育て講座」は長年続いている講座です。

 

③ これからどのような活動をしていきたいですか?

今年初めて、学内で「手作り絵本コンテスト」を開催します。学生が絵本を作ることを通して、どのような気づきがあるのか興味があります。保育者を目指す学生たちにはたくさんの素敵な絵本に出会ってほしい、そして心が動く経験をしてほしい、そのためのお手伝いを続けていきたいと思っています。

実際に子どもたちと読みあう機会や場を大切にしつつ、絵本に関する研究活動、各種講座等の企画も積極的に行っていきたいと思います。でも一番は、学内に親子が気軽に遊びに来られて、保育者の卵たちと一緒にいつでも絵本を楽しめる、みんながホッとできる、そんな場所を作っていけたらと考えています。

 

④ 「働く大人」にオススメの絵本を教えてください!

 コロナ禍で閉塞感を感じがちな今だからこそ、この2冊をオススメします。

 

・『キオスク』作:アネテ・メレツェ、訳:黒沢歩、潮出版社→思いがけないことから、主人公の旅が始まります。

・『かべのむこうになにがある?』作:ブリッタ・テッケントラップ、訳:風木一人、BL出版→読み終わったらカバーを外してみてください。

 

最後に一言。高崎市では毎年「たかさき絵本フェスティバル」が開催されます。いつか遊びにいらしてくださいね!

 

sakaguraより…

 

私も昨年まで保育者養成の短期大学に勤めていたので、「うん、うん、わかります!」とうなずいたり、「すごいなあ…」と目を見開きながら小屋さんの書かれた文章を読みました。

とてもお忙しい日々だと思うのですが、どの写真からも、優しく穏やかな風が吹いているような空気が感じられて、学生さんたちや地域の方々が羨ましくなりました。

「回り道」とおっしゃっていますが、絵本に対する想い、これまでの豊かなご経験が今の仕事に生かされているんだろうなと思います。認定絵本士養成講座の開設、学内の手作り絵本コンテストなど…絵本専門士の繋がりも大切にしながら確実に形にされていて尊敬します。

大学に地域貢献が求められる現在ですが、小屋さんのように自然な形で「みんながホッとできる場所」をつくるという素敵な方法があるのだとハッとさせられました。

これからも、たくさんの学生さんたちに「心が動く経験」(素敵な言葉!)を贈っていかれることでしょう。私ももっとお話ししてみたいなあと思いました。