「つまんない つまんない」 ヨシタケシンスケ作 白泉社 2017年 定価1300円

 

今をときめくヨシタケシンスケさん。

この間、本屋の絵本コーナーで女子高生二人が大笑いしているので、

そっと覗き込んでみると、「もうぬげない」(ヨシタケシンスケ作 ブロンズ新社)に夢中になっていました。

(私も大笑いしたい時はこの絵本を開きます)

ヨシタケさんについては、先日の講演会の様子をこのブログでもレポートしていますが(2017.9.8)

様々な世代で、絵本を手に取る人が増えるのは嬉しいことですね。

 

「つまんない つまんない」は、一人の男の子が

「うーん…なんか つまんない」とつぶやくところから始まり、「つまんない」という言葉から広がる、

ありとあらゆる想像や可能性が描かれていきます。

 

仕事に行き詰まった時、それを投げ出してしまうことも時には必要。

けれど、こうして「考え続けてみる」

(ヨシタケさんは自らをとてもネガティヴで、

「逃げ続けている」と語っていますが)と、

どこかに道は開けてくる。

考えて考えて、考えつくしてみることで楽になれる、

楽しくなれるというメッセージが、この作品にはつまっています。

 

ヨシタケシンスケさんは1973年、神奈川県生まれ。

第1作目の「りんごかもしれない」(ブロンズ新社)でMOE絵本やさん大賞、産経出版文化賞の美術賞を受賞され、

その後も次々と愛される作品を生み出しています。

雑誌『MOE』2017年3月号の「かこさとし特集」では、

様々な絵本作家がかこさとしさんへのオマージュ作品を寄せているのですが、

ヨシタケさんの描かれたイラストがこちら。

 

(白泉社より掲載許可を得ています)

 

カラスのなんともいえない優しそうなたたずまいに、ヨシタケさんの絵本に対する愛情や、絵本作家への敬愛の思いが伝わってきました。