前回は、自身と他人の生命について考察することが大事と述べましたが、楽しく生きる幸せを感じるには、人間関係をどう捉えるかが非常に重要です。


 以前、自身と他人は同じ生命をを持っていると書きましたが、仏法では奥底ではつながっていると説きます。よく以心伝心とともいいますが、皆素晴らしい生命を持っていると捉えます。


 その上で、その人その人の傾向性や癖が生命に乗っかっていると捉えるとわかりやすいかもしれません。実はその傾向性や癖が同じ物を見ても同じ事聞いても、違う感じ方になってしまいます。


 自然、例えば太陽はどんな人にも、平等に光を注ぎ万物を慈しみます。人間も同じで自身にも素晴らしい命が有り、他者にも有ると捉え、自信を持ってまた他者に対して尊敬の念を持って接して行くことが、人間関係では重要になります。逆に他人を非難するとよくブーメランと言いますが必ず自分に振り返ってきます。


 しかし現実には、自身を卑下したり他人を攻撃したりしてしまうことも誰しも有ると思います。そこで心の変革が重要で、自分の傾向性や癖を変えるには、自然と同じ法則を表した対象に向かってお題目を唱え、一歩づつ近づいていくということが信心です。


 よく美しい自然を見ると心が洗われるといいますが、そういう感覚に近いかも知れません。必ず持続すれば、心を変えることができます。