降りしきる雪の中、筑波山に登ってきました。
3月初めの土曜日です。
筑波山は天気が良ければ、スニーカーで登れる気軽な山です。梅まつり開催中でその見物を兼ねた春の山歩きでした。
しかし、当日は朝から冷たい雨が降るあいにくの天候で、終点の登山口まで乗車したのは私たちと地元の人が1人だけという淋しさでした。
バス停で梅まつりスタッフらしき人がキャンペーングッズを配ってくれたのですが、寒さこらえて待ってます状態で、山歩きの恰好をした私たちをホントに登るんかいな…みたいな目で見てました。
そんなわけで、非常にテンションの低い中歩き始めたのですが、追い打ちをかけるように雨が雪に変わり始めました。
春の雪だからそんな積もることはあるまい…とは思ったのですが、底冷えのする寒さのためか、あたりの景色が徐々に白く変わり始めました。
せっかく来たのにという気持ちもあったのですが、雪山を歩く準備も根性もないので引き返すことにしました。
しかし、急斜面の岩場があり、降りる方が滑りそうで逆に怖いと断念。結局、引き返さず頂上まで登ってリフトで降りてくることにしました。
頂上までは頑張って歩いても1時間以上かかります。すっかりビビッてしまい、とにかく安全に頂上まで行って早く帰りたいとそればかりを願って歩き始めました。
でも、これがランナーズハイと言うのでしょうか。
ひたすら足元だけをみて何も考えずに歩くというのがだんだん快感になってきました。
寒い時期の山歩きのマイナス面は噴き出た汗が逆に体を冷やすことですが、外気温がよほど低くいのか、どんな急な岩場を登ってもまったく汗をかきません。
もうサラッサラ。体も冷えないし汗をかかないので、喉の渇きに悩まされることもありません。
また、最初は体が慣れず息が切れて苦しかったのですが、徐々にペースがつかめてきていくらでも歩ける気分になってきました。
暑くもなく、寒くもなく、苦しくもなく、聞こえるのは雪の音と自分の吐く息の音だけ。
閉ざされた雪の中で自分ただひとり、何だか永遠にこの時間が続くような不思議な感覚に陥りました。
もしかしたら、高山だったら危険な兆候だったかもしれません。
楽しかったとは違うので、もう一度雪の日に山登りをしたいとは絶対思わないです。
でも、娯楽って少しハラハラするくらいのほうが面白いのかも…そんなことを思った得難い経験でした。
昼食はリフト券売り場にあるレストランでとりました。土産売り場に隣接した、食券販売機とサンプルケースが入口に並ぶ昔ながらの観光地の食堂。
もう少し中心部に行くと、女子が喜びそうなオシャレなカフェやレストランがあったようですが時間を優先しました。
注文したのは麦とろごはん。自然薯が濃厚で美味しかった。小鉢のふきのとうのほろ苦さに春を感じました。
しかし、私が、本当に食べたかったのはタンメンでした。
温かく、野菜たっぷり、冷えた体に優しそう。食品サンプルの出来栄えもすごく良かった。
でも、友人が山菜そば(地採れ)を頼んだので素直にボタンを押せませんでした。
筑波山くんだりまで行って、タンメンを食べるなんてカッコ悪いと思ったのです。
なんで、こんなつまらないことに見栄をはるのか。
好きなものを食べればよいのに。
つくづく面倒くさい性格です。
下界は春!
雪の音が聞こえました。雪の音ってあると思います。パラパラとか、しんしんとか雪の降る音でなく、何か、送電線が唸るのに似た、無音に近いかすかな振動音。この音が好きです。
