タコだけが夏の扉を開けられる おおさわほてる
新聞は大きな紙だ初鰹 小川野雪兎
梅雨兆すナナフシのいるクラスB 夢野とまと
そらまめを茹でて地球を青くする 原ゆき
とおくから海が来てるよ菫草 谷さやん
これらの句、どのように読むかで議論がわきました。たとえば新聞の句ですが、「大きな紙だ」という断定の意味、それと初鰹との関係はどうなのか。そもそも新聞と初鰹の取り合わせが意味したり感じさせるのはどういうことか。たくさんの読みが出てきて、読みの多様さにやや驚きました。そうした議論(読みの場)を経てこの句がどのように残っていくか、あるいは消えるか、ちょっとした楽しみです。もちろん、議論を踏まえて作者が推敲するかも。