だったかも天道虫の体当たり

夏蜜柑いすわるだんだんなりすます

ほととぎす耳に湖底の郵便局

歩いてきたら歩いて帰るひめじょおん

柿若葉留守も居留守もしんとして

 句集『三月』(黎明書房)から二村さんの初夏の句を抄出しました。どの句にも物語があるというか、何かが始まったり起ころうとしている気配です。

 そういえば、明日の「窓の会春の集い」には二村さんが愛知県刈谷市の自宅から京都駅前の集いに会場まで歩いてやってきます。彼女、今ごろどこを歩いているのでしょうか。