コールサック社刊。2000円+税。

 著者の太田さんは草地生態学の専門家、そして大野林火門の俳人です。乳や肉を生産する畜産は昭和35年(1960年)ごろから盛んになったそうです。つまりそのころから牧場という新しい草原が出来たということですね。「草原は開放空間です。人々は新しい景観を得ることになります」と太田さん。かつての農村的空間ではなく新しい都市的空間、それが牧場ですね。この本、都市の季語の時代を開く本です。お勧めです。「新緑をゆく新緑になつてゆく」。この句は「まきばの四季―夏のまきば」の章の冒頭にある太田さんの句です。