水野洋子―貴種流離譚

水泡(みなわ)逆巻く夏の面影亡き猫の

遊離する魂白し夏の昼

夏の山ワンサカンサと緑の子

夏の果て仰向けに寝る猫になる

秋の雷姉と聞く貴種流離譚

 

松山たかし―夏カレー

老先生ひゅーるひゅーると日傘振る

常連が象の真似して夏の河 

百日紅映えている日の血圧値 

へそ出しの女子高生が夏トレイン 

夏カレー冷凍室の肉解凍

 水野さんはかき氷が好物。「今夏はミルクミントのシロップにぞっこん」らしい。松山さんはカレー。「大阪のインディアンカレーを水を飲まずに一気に食べたい」という。水野さんは京都の古書店・獺祭書房のオクさん、松山さんは大阪の出版社・象の森書房の社主。

 お盆ですね。わが家は久しぶりに孫たちが集います。5人の孫の内には社会人が3人います。世はその孫たちの時代に移ろうとしています。30年が一時代(ひと昔)と言いますが、その言い方に従うと、私などは3つ目の時代に入っています。ところで、このお盆は京都の糺の森の納涼古書展へいくつもりでしたが、この暑さです、断念しました。で、もっぱら遠藤周作を読んでいます。ベッドに寝ころがって電子書籍リーダーで読んでいます。もちろん、自ずとという感じで昼寝へ移行します。