河野(かわの)けいこ―あかんおかん
縞馬の縞のほどけてゆく昼寝
姉さんは犯人役で藍浴衣
半夏生あかんおかんのままでいい
花火の夜幸福物質浴びにゆく
枝豆をゆでてそれから家出中
角野天十里(あとり)―キュキュイと
ヤなこともイイことも有り罌粟の花
海ほうずきキュキュイと鳴らせたなら勝ち
嫉妬すら覚える木肌サルスベリ
日焼けした肌褒められた過去の有り
ペディキュアの色薄くなり夏の果
京都市右京区の河野さんは蝉の声が大好き。「窓を開けると隣のお寺の森から毎日蝉の鳴き声が聞こえて」元気をもらうという。大阪市都島区の角野さんの好物は西瓜。「夏太りの心配をせずに甘味を摂れる、水分たっぷりの果物だから。のほほんとさせてくれる、形も色合いも大好き。」
甲子園の高校野球が始まっている。蝉、西瓜、甲子園、花火、海辺、高原、生ビール…。猛暑だがこんな連想をすると、なんとなく元気が湧く。