真島久美子(1973年生まれ)

・Googleで見る弾痕の残る国

・ハンガーが十字架になる夜の底

・中天を揺らして蓑虫が消えた

・行間に落ちる半透明の雨

・野生化のできぬ一羽がまた逃げた

 

真島 凉(2004年生まれ)高校一年生

・失恋をしたから傘をさしている

・妹の方がお姉ちゃんをしてる

・さよならを言えたらちょっとだけ大人

・ガチだった証に一粒の涙

・約束の重さに大も小もない

 

真島 芽(2006年生まれ)中学二年生

・お化粧で隠す中学生のシミ

・枯れている花は人間より本気

・幸せを家庭科室で炊き上げる

・神様の手はゴツゴツと思います

・じいちゃんは竜宮城へ行ったきり

 

 芳賀博子さんから、家族で川柳を詠んでいる一家があります。と真島久美子さんを紹介された。中学生の神様の句、そして高校生の約束の句、納得、納得。久美子さんの抽象度の高さはさすがは母親!という感じ。ハンガーの句、現代の思想や信仰の自由の困難を連想させる。