世界思想社、1700円+税

この本、読売新聞の「人生案内」の回答集ですが、巻末に、エッセー「二枚腰のすすめ」がついています。「二枚腰というときの二枚というのはいったいどういうことか。正反対の二つのことが一つところにあるということです。一つのものを見たら、それとは反対のものが裏に透けて見えるということです。」そこから一節を引きました。解決すべき目先の問題と、考え続けなければならない課題、その二つを引き受ける、すなわち二枚腰の哲学者がここにいます。哲学者というより、考えることがとっても好きな老人ですが。鷲田さんはいい老人です、いつでも二枚腰だから。