うちの近所の定食屋チェーン店には、「あなたの居場所はここじゃない」と言わざるを得ないような、スラリと背が高くて髪がビシッとキマッててツカツカと動き回る、どこからどう見ても某劇団で一位二位を争うようなめちゃくちゃかっこいい女の人が働いてるんだけど、トイレに行く時ですら、暖簾を片手でシャッと払い除ける動作がちょっと目を疑うぐらいかっこよくて、もうかっこよくてかっこよくて、かっこよすぎた。
出てくる時にふわりと優しく暖簾をくぐるのもまた、入った時とのギャップがかっこよすぎてかっこよすぎて、かっこよすぎて、かっこよすぎた。
後日店に入った時にその人がたまたま休憩中で、まさかの紺無地パーカーでご飯を食べてるのもまた、萌えすぎて萌えすぎて、萌えすぎて、僕はそれだけでお腹一杯になって頼んだご飯を全部残した、ような気がする。
(いや、しっかり全部食べてご飯おかわりもした気もする。)
信号待ちしてる、自転車の前後ろに乗ってる親子(母と息子)の、見てる先は違えど一点を空っぽの目で見つめ続けるその眼が全く同じで、親子ってこんなところも似るのかと感心した。
電車の向かいに座ってる人達の出身都道府県を予想する遊び面白いよ。
答え合わせしたくなるのが難点だけど。
水族館に行ったら、へコアユっていう、頭を下にして垂直に直立した状態で生きてる魚がいて、人間に例えると全員が逆立ちしたまま生活してる状態で、三匹が仲良く水槽の物陰から泳ぎ出てくる、というかもはや歩いて見えるその姿は、「今日どこ行く?イトーヨーカドー?」みたいな家族の会話がまじで聞こえてきそうだった。
渋谷の交差点を人間全員が逆立ちで渡ってるのを想像したらすごいシュールだった。
交差点貸し切ってそういう写真撮ってみたい。
ペンギンってたまに人間に見えすぎて、ペンギンスーツを着た人なんじゃないかって本気で疑いたくなる。
あとペンギンの翼っていつも、「位置そこでいいの?」って言いたくなるポジションだよな。
ポールスミスみたいな魚いた。
あと、絶対毎朝髪セットしてるだろっていう魚いた。
水族館から出たら、目の前に広がる海の奥の方で突き出た岩の上に一羽の鳥が止まってた。
すごい「自由」を感じた。
一生水槽の中で友達と一緒にいれるのと、一生外にいれるけど友達と出会えるか分かんないのだったらどっち選ぶ?
歌がどんなに上手くても、歌がどんなに下手くそでも、お客さんにキャーキャー言われても、誰からも見向きもされ無くても、そこに幸せはある。
人生はなんて贅沢なんだ。