2日、3日と続けて、9月定例議会の総務政策常任委員会が開催された。その中で、8月末までの県税調定状況についての報告があった。現状は、概ね対前年比並みをキープしているが、原油・原材料の高騰等を背景とする企業収益の悪化や、国内消費の低迷などにより、現時点で当初予算額に比べて200億円を超える減収が見込まれる事態となっている。さらに、平成21年度3月期の企業収益は、平成20年5月時点の予想に比べ、減益幅が拡大すると見通されることから、来年度の県税収入は、今年度以上に減収額がさらに大幅に拡大すると見込まれる厳しい事態が予想される。高齢化の進展等により、介護・医療関係費など義務的経費の増加は避けることが出来ない状況でありながら、国から地方への財源移譲は極めて不十分な状態が続き、神奈川の今後の財政状況は厳しい事態に直面している。
 そうした中で、当面の財源不足対策にとどまらず、
 中期的な見通しをもった対応を図っていくために県行政システム改革推進本部に、黒川雅夫政策部長をチームリーダーとする「緊急財政対策プロジェクトチーム」を設置し、全庁一丸となっての改革が進められることになった。今後は、直面する財政緊急事態に対処するため、中期的な視点に立って施策・事業や組織・執行体制の見直しなどによる歳出の抑制、財源確保に係る対策が具体的に検討されることになる。
 今日の日経朝刊に、世界的に急減速する新車販売についての記事が掲載されている。「米国発の金融危機が世界の自動車産業を揺さぶっている。震源地の米国の新車販売台数は九月、前年同月比26.6%減となり、十七年ぶりの低水準に縮小。ガソリン高に加えた金融機関の貸し渋りや株安などを背景に頼みの綱だった新興国市場も減速感が強まっており、今年の世界販売台数は七年ぶりにマイナスに転じる可能性が出てきた」とあり、米国を震源とする金融危機が、世界経済のけん引役となってきた自動車産業にまで大きな影を落とし、世界経済全体に暗雲が立ち込めている。
 神奈川県は、世界を代表する自動車メーカーの一つ、日産自動車を中心とする自動車関連産業の裾野が大きく広がる地域であり、世界経済の影響を受けやすい環境にある。2日から始まった世界最大の自動車ショー「パリ国際モーターショー」では、ドイツやフランスなどの欧州メーカーをはじめ、日本や米国、アジアなど各国のメーカーが勢ぞろいし、地球温暖化問題を背景とした「エコカー」を売りにした新車モデルの競演がなされているようであるが、主要自動車メーカー社長はそれぞれ「自動車市場は大きく揺れ動いており、困難な情勢。回復までに2年程度はかかるのではないか」(カルロス・ゴーン日産自動車社長)、「現状が厳しいのは認識しているが、問題は金融危機。米市場の回復は早くても2010年になる」(アラン・ムラ―リー米フォード・モーターCEO)、「中国や南米で成長スピードが鈍化している。西欧の落ち込みを新興国でカバーできないと来年も厳しい」(マルティン・ヴィンターコーン独フォルクスワーゲン社長)など、厳しいコメントを発表している(日経新聞3日朝刊)。
 華やかに見える自動車産業界であるが、世界的に今後厳しい先行きが予想されるとなれば、日本経済、神奈川経済への影響も甚大なものになる。洞爺湖サミットが7月に行われたばかりであるが、国内的な評価、評判ともにこれほど印象の薄いサミットも珍しいくらいであった。改めて思うところであるが、このサミットでは、地球温暖化問題もさることながら、原油価格の高騰、米国を中心とする金融不安などを背景にした、世界的に広がりつつある厳しい経済情勢に対し、主要各国協調による国際経済への取組みをより強くアピールをすべきではなかったかと思われてならない。総理大臣の見識、指導力は、こんなときにこそしっかりと発揮されるべきものである。
 今後、本県財政の更なる逼迫が予想されるところであるが、医療・介護など県民の生存に直接関わる重要分野の歳出削減が安易になされることのないよう、注視していくとともに、国に対するしっかりとした財源移譲も強く求めていきたい。
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