（藤沢里菜女流本因坊と武宮正樹九段）
今日（昨日）は第33期女流本因坊就位式にてMC。
何と16歳！というフレッシュな新女流本因坊のお祝いに駆けつけた多くのお客様で溢れる会場は、いつになく若い世代の棋士の皆さんも多く来られ、なんか皆さんが喜びで浮き足立つムードが漂っていた！
囲碁棋士最年少の11歳6か月でプロ入りを果たし、今期ついに自身二つ目のタイトルであり、女流タイトル最高位の女流本因坊位を史上最年少で獲得した藤沢里菜さん。
祖父は故藤沢秀行名誉棋聖、父は藤沢一就八段。
最高に恵まれた環境だったのだと簡単に納得しそうだけれど、
その恵まれた環境や才能以上に、恩師や応援する人々から聞こえてくる話は、彼女の類まれな努力の数々。
なんでもこの世に存在するあらゆる詰碁をほぼすべてやってるはずだと恩師の洪清泉（ホンセイセン）二段は仰っていた。
さらに、五番勝負の対局でお世話になった新聞社の社長へ優勝の報告と御礼の手紙を直筆で宛てる謙虚さ、
幼い頃から彼女が通った洪道場主宰・洪清泉二段の我が子のように想う温かいスピーチ・・・・、
洪二段のスピーチでは、初々しい柔らかなピンクの着物に包まれた女流本因坊の頬にとめどなく涙が流れ始め、一気に会場全体がじーんと温かい空気に包まれた。花束贈呈で大の仲良しだという星合志保初段がプレゼンターで登場するや、また泣き出す女流本因坊。
沢山の人に心から応援されているのが伝わる素敵な式・・・。
伝説の棋士としてアジアの囲碁界で知らない人はいない祖父の藤沢秀行名誉棋聖は、長年若手を手厚く指導したのは有名だけれど、
とにかく国籍・年齢・キャリアに関わらず、本当に多くの棋士を温かく迎え豪快なエピソードと共に、大事にして来られたと色んな方から耳にしてきた。
斉藤さんを一度秀行先生に会わせてみたい、一度会っておいた方がいいよ・・・様々な方からこう言われながら残念なことに叶わぬままとなってしまったのは大きな後悔である。
沢山のユーモアと愛情で秀行先生に大事にされた多くの棋士が、「あの秀行先生のお孫さんと想うだけで、今日の晴れ姿に涙が出る・・・」と口々に言い本当に涙していた。
こんな就位式は初めてだった。
主役が泣き、応援する人々がじわっと涙している・・・。
「ご本人が泣いた就位式は初めてでしたよ。」
と終了後に女流本因坊に伝えたら、
「えー、恥ずかしいっ！」
と屈託なく嬉しそうに笑うその笑顔は素直で真面目な16歳のそのものだった。
写真は、予定になかったのに是非マイクを通じてお祝いの言葉を述べたいと名乗り出て下さった明るい武宮正樹九段。
こういうことも・・・・お初で。笑
なんだか里菜さんの結婚式？
と思うほど和やかで温かい時間が流れた・・・。
ご家族、仲間、ファン、大先輩の応援を味方に付けた
藤沢里菜女流本因坊の
この後の快進撃を私も秘かに楽しみに・・・。
藤沢里菜女流本因坊、
誠におめでとうございました！！