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アメリカ・ロサンゼルスにあるUCLAでの一年間の交換留学から現在まで、感じたこと・経済金融などについて

参考リンク貼り付けます。


“GM Says Facebook Ads Don't Pay Off” The Wall Street Journal 5/16/2012 http://online.wsj.com/article/SB10001424052702304192704577406394017764460.html  



“Investors Pummel Facebook” The Wall Street Journal 5/22/2012 
http://online.wsj.com/article/SB10001424052702303610504577417911775222058.html?mod=e2tw



「フェイスブックIPOめぐる対応でMスタンレー調査も、株価は続落」 ロイター 5/22/2012 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE84L01Y20120522?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29&pageNumber=2&virtualBrandChannel=0



“Facebook Among the Worst Big U.S. IPO Starts in 5 Years” The Wall Street Journal 5/22/2012
http://blogs.wsj.com/deals/2012/05/22/facebook-among-the-worst-big-ipo-starts-in-5-years/?mod=e2tw

2. そもそもFacebookのビジネスモデルは砂上の楼閣で、その時価総額に比較したときの成長性に疑問が残る。


続いて、そもそも今回のIPO debacleはFacebook自身の成長性の裏付けの欠如なんじゃないかって論調。

Facebookは、本当に成長していくのかってのは、みんなの興味の的。


22日に、トムソン・ロイター傘下のスターマインは、「増益率予想(テクノロジーセクターの中間値の年10.8%を使用)を基に適正価格を9.59ドルと試算。これはIPO価格の4分の1に相当する。22日終値で換算した株価収益率(PER)は60倍で、グーグルの13.3倍をはるかに上回る。」

一般的に、20倍以下が理想とされるPERで60倍。成長が期待されるにしても、インターネットバブルを思い起こす数字。


今現在貸し株は、行われていないから空売りはできないけど、空売りができるようになったら、どうなるんだろうか。Goldmanとか主幹事だけど、普通に空売り仕掛けそうw
オプションは来週の火曜日(月曜日は祝日)から取引開始らしいから、プット買いなんだろうな。


さらに、時系列が前後するけど、16日には、IPOを間近に控えて、GMがFacebook上でお金を支払ってのマーケティングはやめると発表してる。


もともと、Facebookは初期の頃には、ブランドページとかunpaidでのコンテンツを企業向けに用意してたけど、今やpaidの広告手法がいくつかって、画面上ににpop upされてくる “display ads”の他に、"sponsored stories"と呼ばれてる有料コンテンツがある。


これは、“lets advertisers pay to republish positive Facebook messages that people had posted about their brand.” 要は、Facebook上でブランドに関して人々がポストしたメッセージを、企業の広告のリソースとして使えるってとこでしょうか。


さらに、paidマーケティングの一つに、ブランドに関するポストをよりユーザーが見るように表示させる技術があるらしい。


GMはP&G、AT&Tに次ぐ全米第3の広告宣伝費の大きい企業で、昨年は$10millionしかFacebookでの広告費に使ってないらしいけど、その費用対効果が見直されてるのかな。
確かに、スマートフォン使って、Facebookでソーシャルゲームしてる時に、車の広告がpop upされて、誰が見るの?ってのは当然の疑問なわけで。



3. ナスダックの売買システムに問題があり、取引の執行が遅れ、株式の注文が行われたのか、株式を保有しているのか分からない状況だった。


これはあくまでも追加的な要素だけど、今回のIPO debacleに追い打ちをかけたのは確か。金曜日の取引時に約20分間、株式の注文、そのキャンセルや変更ができなかったらしい。


その損失は$13millionにのぼり、取引所としてはその損失を投資家の代わりに、保証しなきゃいけないらしい。



いずれにせよ、IPOってのは投資家にとっては、publicにtradingされていなかった株を新たに買うっていうかなりのriskyな行動だから、そのriskが報われるような資本市場であって欲しいし、それをうまく作っていって欲しい。


最近のNewsはFacebookのIPO一色。2月のIPO主幹事争いから、やれロードショーにザッカバーグが現れなかっただ、GMがFacebookへの広告費支払いをやめる(引き続きFacebookは活用)発表をしたりと、一挙手一投足に注目が集まってた。


そんな中でついに、先週の金曜日5/18(金)にナスダック上場果たして、初日の終値こそ小幅な上昇の$38.23で取引終了。世界の注目を集める中で、週明けの月曜日に11%と急落して$34.03。そして、今日また8.9%下落の$31。


Dealogicによると、2007年以降の$1billion以上のIPOの中では、3日間の下落率は過去最大らしい。


hsのブログ  


出典:“Facebook Among the Worst Big U.S. IPO Starts in 5 Years” The Wall Street Journal 5/22/2012



このFacebookのIPO debacleに対して、今提起されてるのは、
「なぜこのような事が起きてしまったのか?誰のせいなのか?」という犯人捜し。


Newsなんかを見てると、その論調は主に3通りに分かれると思います。


1. 主幹事であるMorgan Stanleyが、そのPricingなどを含めてうまく案件をリードできていなかった。


2. そもそもFacebookのビジネスモデルは砂上の楼閣で、その時価総額に比較したときの成長性に疑問が残る。


3. ナスダックの売買システムに問題があり、取引の執行が遅れ、株式の注文が行われたのか、株式を保有しているのか分からない状況だった。



1. 主幹事であるMorgan Stanleyがうまく案件をリードできていなかった。


まず、IPOの直前になって、Offering priceと株数を引き上げている。Offering priceに関してはほかのアナリストのvaluationの結果と比べwell aboveらしく、それが割高感に。また、株数の引き上げは、投資家に期待以上の株が割り当てられることになり、それによって需給が悪化。それがこの、公開価格を大きく割っていることに繋がっている。


なんで、直前になって引き上げたのか?Facebookがより多くの資金を調達したかったのと、主幹事側の思惑が重なったのかなー(基本的に投資銀行の引受手数料は、案件規模の数%だから、案件サイズを大きくしようとするインセンティブが働く?)。


Morgan Stanleyも公開初日の金曜日こそ、$38を下回らないように買い支えしたものの、月曜日には買い支えをしなかった結果がこれ。


さらに、今日22日、Morgan Stanley、Goldman Sachsがロードショーの期間中にFacebookの業績見通しを下方修正し、しかもそれを一部の機関投資家にしか知らせていなかったことが判明。SECが調査に乗り出すことになった。


にしても、Morgan Stanleyは、ここ最近LinkedIn, Zynga, GrouponのIPO主幹事を務め、テクノロジー企業IPOには無類の強さを持っていただけに、如何にIPOのpricingが難しいのかを物語っている。